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【第41回】長尾 能雅

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長尾 能雅

名古屋大学医学部附属病院副病院長・患者安全推進部教授

呼吸器内科医から患者安全専従医師へ転身。患者安全の黎明期を築く

毎年9月17日は「世界患者安全の日(World Patient Safety Day)」。2019年のWHO総会で、患者安全(医療に関連した不必要な害のリスクを許容可能な最小限の水準まで減らす行為)を促進すべくWHO加盟国による世界的な連携と行動に向けた活動をすることを目的として、医療制度を利用するすべての人々のリスクを軽減するために制定された。日本では、「患者安全」が日々の診療実践のなかで重要視されるようになって20年の時がたった。名古屋大学医学部附属病院副病院長で患者安全推進部教授の長尾能雅(ながお・よしまさ)医師は、患者安全の黎明期を築いた医療者の一人として広く知られる。悩んだ末に呼吸器内科医から身を転じ、30代半ばで生涯の仕事に選んだ。今、どのような活動に、どんな思いで、力を注いでいるのか。なぜ、患者安全を専門にする医師となったのか。名古屋大学病院に長尾氏を訪ね、取材に応じてもらった。

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名古屋大学病院は2019年2月、国立大学病院としては初めてJCI(Joint Commission International)の認証を受けた。22年3月JCI更新。JCIは「患者安全と医療の質の改善へ向けた不断の努力」を問うことが審査の本質とされ、世界でもっとも厳格とされる国際医療評価。

プロフィール

1969年生まれ。群馬大学医学部卒業後、土岐市立総合病院、公立陶生病院にて研修。2001年に名古屋大学医学部第二内科学教室医員となり、03年から同附属病院呼吸器内科医員。その後、土岐市立総合病院呼吸器内科医長を経て、05年から京都大学医学部附属病院医療安全管理室室長(助教)。同講師、同准教授を経て、11年4月に名古屋大学大学院医学系研究科医療の質・患者安全管理学教授に就任。12年11月に同附属病院副病院長となり、20年1月から患者安全推進部(改名)教授。医療の質・安全学会顧問。医療安全全国共同行動常任理事。医学博士。

長尾能雅氏の最近の著書(※ 記事執筆の参考文献)

  • 内科学書「内科学総論・治療学」(分担執筆)中山書店 2019年
  • 患者安全への提言 群大病院医療事故調査から学ぶ(分担執筆)日本評論社 2019年 ※
  • 医師として知っておくべき 医療の質向上と患者安全の鉄則35の訓え(監訳)丸善出版 2021年 ※
  • 内科学 第12版「内科学総論・患者安全」(分担執筆)朝倉書店 2022年

医療現場のリスクを減らし患者の安全を確保する人材育成と支援事業を展開中

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