私たちの流儀(会員限定)

【第39回】村上 穣

村上 穣のイメージ

村上 穣

佐久総合病院佐久医療センター腎臓内科副部長

腎移植レシピエントの腎臓内科医がたどり着いたのは、医療者と患者さんの間のギャップを埋める活動

長野県にある佐久総合病院佐久医療センターで診療する村上穣(むらかみ・みのる)医師は、腎臓内科医で、同時に腎移植レシピエントでもある。7歳の時、両側膀胱尿管逆流症による逆流性腎症と診断さ れ、逆流防止術が施された後、慢性腎臓病保存期の生活が始まった。10歳で腎性高血圧を合併し、降圧剤の服用を開始。その後も、食事療法や薬物療法を続けていたものの徐々に腎機能が低下し、腎臓内科医として歩み出していた31歳の時、母親をドナーに先行的生体腎移植術を受けた。腎移植から4年後、村上氏は自らを症例として取り上げた論文『腎移植レシピエントが見つけた生きがい』を発表。そのなかで腎移植レシピエントに生じやすいうつ病と生命予後との関連の可能性も指摘した。レシピエントである自身がどのような心理的変化を経て今に至り、日々、多くの慢性腎臓病患者さんと向き合っているのか、胸の内を語ってもらった。

村上 穣のイメージ2
村上穣氏が勤務する佐久総合病院佐久医療センター。(提供:佐久総合病院広報課)

プロフィール

1979年生まれ。2004年、東京慈恵会医科大学医学部医学科を首席で卒業。佐久総合病院で初期および内科後期研修修了後、腎臓内科医になる。15年に京都大学大学院医学研究科社会健康医学系専攻専門職学位課程修了(社会健康医学修士)。19年から現職。慈恵医大や佐久大学で非常勤講師も務める。一般社団法人PeDAL代表理事。

村上穣氏の論文

  • Murakami M, et al. Living-donor kidney transplantation performed in a low-volume center by visiting surgeons from a high-volume center and managed clinically solely by nephrologists: 1-year outcomes. Transplant Proc 2021;53:872-880.
  • Murakami M, et al. Knowledge does not correlate with behavior toward deceased organ donation: a cross-sectional study in Japan. Ann Transplant 2020;25:e918936.
  • Murakami M, et al. Effects of structured education program on organ donor designation of nursing students and their families: a randomized controlled trial. Clin Transplant 2016;30:1513-1519.
  • Murakami M, et al. Effect of an educational program on attitudes towards deceased organ donation. Ann Transplant 2015;20:269-278.
  • 村上穣, 他 腎移植レシピエントが見つけた生きがい 移植 2016;51:207-210.

医学生時代、絶望感から救ってくれたのは、飯舘村の住民たちだった

会員限定コンテンツ

この記事を閲覧するには、
会員ログインが必要です。

ログイン・会員登録

私たちの流儀一覧