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【第33回】阿南 英明

阿南 英明のイメージ

阿南 英明

神奈川県医療危機対策統括官・藤沢市民病院副院長

コロナ対処医療を継続させながら地域の日常医療を取り戻す「復興策」の構築に専心

横浜港に入港し停泊していた大型クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」で、新型コロナウイルスの集団感染が初めて確認されたのは2020年2月4日。翌5日、神奈川県知事が「災害」を宣言し、6日に神奈川DMAT(Disaster Medical Assistance Team)が船内外で救護活動を始めた。この時、同DMATの本部長を務めていたのが、藤沢市民病院副院長の阿南英明(あなん・ひであき)医師だ。その後、阿南氏らは、ダイヤモンド・プリンセス号での経験と教訓を生かして、市中感染拡大の第1波に対処し医療崩壊を防ぐための「神奈川モデル」を構築。3月25日に県が発表した。そして、阿南氏は急遽、4月1日、神奈川県医療危機対策統括官に就任。第1波を乗り越えた後は、社会経済活動が再開されるなか、コロナ対処医療を継続させつつ地域の日常医療を取り戻す体制づくりに、統括官として専心する日々を送る。第3波とされる感染の急拡大があらわになる直前に、阿南氏への対面でのインタビューが実現した。

プロフィール

1965年生まれ。新潟大学医学部医学科卒業。藤沢市民病院初期研修、横浜市立大学救命救急センター、藤沢市民病院救急部などを経て、2012年に藤沢市民病院救命救急センター長・救急科部長となり、19年4月から同院副院長。20年4月に神奈川県健康医療局技監(医療危機対策統括官)に就任。東京医科歯科大学医学部臨床教授、福島県立医科大学医学部非常勤講師。日本救急医学会救急科専門医・指導医、日本救急医学会評議員、米国内科専門医会・内科学会(ACP)正会員、日本災害医学会評議員、日本内科学会総合内科専門医・指導医など。医学博士。

記事と関連した阿南英明氏の論文

  • Hideaki Anan , Hisayoshi Kondo , Ichiro Takeuchi , Tomoki Nakamori , Yu Ikeda , Osamu Akasaka , Yuichi Koido. Medical Transport for 769 COVID-19 Patients on a Cruise Ship by Japan Disaster Medical Assistance Team. Disaster Medicine and Public Health Preparedness.
    press: 05 june 2020.pp1-4.
  • 「神奈川モデルを基盤としたWithコロナ社会医療」 日本医師会COVID-19有識者会議 2020-08-21

記事執筆の参考文献

  • 「ドキュメント ダイヤモンド・プリンセス号の実相」 滝野隆浩 毎日新聞 2020年9月1日~9月19日(全15回)

「神奈川モデル」のポイントは中等症患者と重点医療機関

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