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【第25回】大西 秀樹

大西 秀樹のイメージ

大西 秀樹

埼玉医科大学国際医療センター包括的がんセンター精神腫瘍科教授

「遺族外来」でがん患者遺族の心の治療とケアを続ける

死別は、人生最大のストレスで、その結果として、遺族はうつ病や心疾患に陥りやすく、自殺率も上がることが知られている。埼玉医科大学国際医療センター包括的がんセンター精神腫瘍科教授の大西秀樹(おおにし・ひでき)医師は、同院がオープンした2007年、がん患者の遺族を対象に国内初となる「遺族外来」を開設。以来、精神医学・心理学の知識と診療経験を生かして、がん患者とその家族のみならず、遺族の治療とケアにもずっと力を注いでいる。遺族を診ることが、自身の人生に「大きな収穫をもたらした」と言う大西氏。その深意を教えてもらった。

大西 秀樹のイメージ2
日本で初めて「遺族外来」が設置された埼玉医科大学国際医療センター。

プロフィール

1960年生まれ。横浜市立大学医学部卒業。藤沢病院、横浜市立大学精神科、神奈川県立がんセンター精神科部長などを経て、2007年より現職。がん患者遺族の治療とケアをおこなう「遺族外来」をわが国で最初に開設。13年、日本サイコオンコロジー学会 学会賞受賞。日本グリーフ&ビリーブメント学会代表理事。医学博士。

大西秀樹氏の最近の論文

  • Onishi, H., Uchida, N., Takahashi, T., Furuya, D., Ebihara, Y., Sato, I., Ito, H. & Ishida, M. (2019). Thiamine deficiency in the bereaved after cancer-related spousal loss. Palliat Support Care, 1-3.
  • Onishi, H., Ishida, M., Kagamu, H., Murayama, Y., Kobayashi, K., Sato, I., Uchida, N. & Akechi, T. (2018). Wernicke encephalopathy in a lung cancer patient during treatment with nivolumab. Palliat Support Care, 1-3.
  • Ishida, M., Onishi, H., Morita, T., Uchitomi, Y., Shimizu, M., Tsuneto, S., Shima, Y. & Miyashita, M. (2018). Communication Disparity Between the Bereaved and Others: What Hurts Them and What Is Unhelpful? A Nationwide Study of the Cancer Bereaved. J Pain Symptom Manage, 55(4), 1061-1067.e1061.

記事執筆にあたり参考にした大西秀樹氏の著書

  • 『遺族外来―大切な人を失っても』(河出書房新社)
  • 『がん患者の心を救う 精神腫瘍医の現場から』(河出書房新社)
  • 『がん治療を苦痛なく続けるための支持・緩和医療 こころとからだを楽にして自分らしさをとりもどす』(ライフサイエンス出版 共同執筆)

困っている患者がいたら、何らかの行動をその場で起こす

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