1. 共働きだから、を言い訳にしない!子育ての秘訣はイクメンにあり?

医師のための子育てヒント

共働きだから、を言い訳にしない!
子育ての秘訣はイクメンにあり?

昨今ではライフスタイルの変化に伴い、結婚や出産をしてからも働く女性が増え続けています。そんな世の働く女性たちを支えてくれているのは、ご両親や子育てサービス、そしてもちろん職場などもありますが、「イクメン」も大きな存在となっています。しかし、医師として共に働いている夫婦でも旦那さんがイクメンになることは実現できるのでしょうか。ここでは調査データをもとに、現在の医師の子育て事情を見てみましょう。

世の夫婦は、育児を分担できている?

あるアンケート調査によると、女性医師のうち育児を担当しているのが自分自身と答えた方は60.6%いるのに対し、自分と配偶者と答えた方は26.9%にとどまります。まだまだイクメン医師は少ないことがわかります。
このデータは、共働きの医師夫婦を対象にした調査結果ですが、奥さんである女性医師がメインで育児をしているケースがほとんどのようです。

結果からすると、男性医師は未だに家事・育児は女性がするものだという意識が強いようで、女性医師が働きながら家事・育児を行っていくには、旦那さんや職場の理解が必須事項です。旦那さんが仕事を大事にするように、奥さんも医師としての仕事に対し同じ気持ちがあることを理解してもらう必要があります。
その際にはどう子育てをしていけばいいのか、という建設的な話し合いをしなければいけない時もあるでしょう。その上で、子育てをサポートできるような職場の意識改革、働き方の改善などが必要だと思われます。
一方、イクメン医師が存在するのも事実。
今回は、実際にイクメン医師を旦那さんに持ち、共に子育てに取り組む女性医師に話を伺ってみました。

女性医師Kさんの場合(夫:医師、子供:2人)

地方在住の女性医師であるKさんは、長男、長女と2児の母であり、現在3人目を妊娠中。もちろん、Kさんの旦那さんも同じく医師です。

「わたしの夫は、当初は家事もそれほどしていませんでしたが、妊娠中に体調不良の日が続いたときから少しずつ手伝ってくれるようになりました。そのことがきっかけで、今はイクメンとして大活躍してくれています。
なので、家事が得意というわけではありませんが、洗濯物をたたんでくれたり、洗い物をしてくれたりと簡単なことはすぐにやってくれています。
また、医師としてこれからもキャリアを重ねていきたい、という私の気持ちを充分に理解してくれているので、仕事を抑えて私だけに家事や子育てしてくれとは言わないですね。
育児の分担などは特に決めていません。決めてしまうと、これは相手の領域だからと手を出さなくなったり、小さな事でもお互いの意見を主張し合うようになってしまうので、“できる人ができることをする”というのが我が家のスタンスですね。
子どもの保育園の送り迎えはお互いの勤務都合を考えながら、できる方がやるようにしています。急な発熱で保育園からの呼び出しなどの時も同様です」。

Kさんの場合、実家の援助はほとんど受けていないそうですが、これが逆に、夫の理解を得るチャンスとなったようです。というのも、実家の援助がない分、夫婦二人だけで乗り切らなければいけないという状況が生まれ、夫婦の団結力が高まるからです。もし実家のおじいちゃん、おばあちゃんが子どもの面倒を見てくれていたら、おそらく旦那さんは仕事に専念し、育児には関わっていなかったかもしれません。

またKさんの例から、「イクメン」というのは元々の気質ではなく、相手を思いやる気持ちから成り立っていると考えられます。子育ては大切だけれど仕事もきちんとこなしたい、そういった女性側の思いを受け止め、そしてお互いの役割をこなしていくことで、仕事と子育ての両立をしていることがわかります。一度にすべての家事を分担するのではなく、「できることをやる」「簡単なことから手伝ってもらう」など、工夫をすれば旦那さんもイクメンとして頑張ってくれるようになるのではないでしょうか。

育児期=キャリア形成期

イクメンの存在が注目されていることは確かです。しかし一般に、育児をする時期は30~40代と、医師としてのキャリアを身につける大事な時期と一致することが多いため、医師としての観点からすると、一概に「イクメン=良いこと」とは言い切れない面もあります。医師は夜間の呼び出しや当直などもあり、さらにセミナーや研究会への参加など勉強に充てる時間も重要なため、一般の会社員夫婦にはない悩みも生まれてきます。限られた時間を子育てにつかうことは、医師としての成長を後回しにしてしまうというデメリットも生じてしまうからです。そのため、子育てのために時間を割ける男性医師は依然少数派なのではないでしょうか。

子育てに対して、日本医師会の「男女共同参画についての男性医師の意識調査」によると以下のような対照の意見が挙げられていました。

【子育て派】
30代~40代の多忙な時期には、家庭、私生活を犠牲にして仕事優先で生きてきたが、今思うと子育ての時期に父親として子どもと時間を共にすることはその時にしかできない。父親の代わりはどこにもいないことに気付き残念に思う。

こちらの意見では、「子育てに時間を割けばよかった」という後悔が感じられます。イクメンとまではいかずとも、将来のことを思えば、少しでも子育てに時間を充てて、子どもと過ごす時間を大切にしておきたいものです。

【キャリア形成派】
キャリア形成期に全力で仕事に取り組まなかったら、本当の実力を備えた専門医として社会に貢献するのは難しい。

こちらの意見では先述した意見とは対照的に、キャリア形成期を大切にしたいという意見です。もちろん医師としてのキャリアを考える事は重要です。しかし、自身のなすべき事と子どもの幸せを比べる事も難しいでしょう。キャリア形成と子育ての両立ができるような、時間の割り振りや夫婦における分担の比重をよく考えて決める必要がありそうです。そのためには、奥さんの医師という職業への理解というものも大きく関わってくることでしょう。

今回見てきたように、育児は一朝一夕では終わらないということもあり、もともと子育てに充てる時間が少なく、自身のキャリア形成も非常に重要な医師という職業においては、一般の職種の方よりも大変な部分が多いでしょう。ですからパートナーとは、普段からゴミ出しや掃除機がけなどの簡単な家事を分担したり、休日は子どもと過ごす時間を設けたりと、家事をどちらか一人だけでやらないようにすることが大切です。そうやって旦那さんがイクメンとして活躍することが、共働きでの子育てにおける最大の秘訣と言えるでしょう。

医師のための子育てヒント 記事一覧

この記事を見た方はこんなコンテンツも見ています