1. 先輩医師はどうしてる?忙しい共働き医師がしっかり育児する方法

医師のための子育てヒント

先輩医師はどうしてる?
忙しい共働き医師がしっかり育児する方法

医師同士の結婚が珍しくない昨今、育児について悩みを持っている方も多いのではないでしょうか。忙しいからって、手抜きをしたくない!しっかり育てたい!と多くの医師夫婦が思っていることでしょう。そもそも、しっかり子育てするとは具体的にどんなことなのでしょうか。また、フルタイムで働く医師夫婦がしっかりと子育てするには、どのようにしていけばよいのでしょうか。今回は、実際に医師の方にお話を伺い、それを基に育児における人への協力のあおぎ方と時間のやりくりに注目していきます。

まずは育児時間の確保を(8ヶ月の育児休暇後にフルタイムで復帰したSさんの場合)

妊娠中から育児休暇が取得できそうか、復職後の時短勤務は可能かなどについて職場と充分相談しておく必要があります。8ヶ月の育児休暇ののち、フルタイムで復帰したSさん(呼吸器内科・40歳女性・子ども6歳)はこう語ります。
「時短勤務が難しそうだったので、9時~18時のフルタイムで復帰しました。そのかわり、当直は子どもが3歳になるまで免除、土日休み、残業なしにしてもらえるよう交渉しました」。
残業が当たり前の職場では、復帰に際して根気強い交渉が必要になるようです。その交渉は、大変ストレスの溜まるものだったとSさんは振り返ります。

「でも私は辞めずに続けたいと思っていて、子どもを普通の共働き家庭と同じようにしっかり育てたいと思っていたので、粘り強く交渉することができました。交渉に際しては、部長に対して『残業と土日出勤はできないけれど祝日の日直は担当します』というように、こちらのできないことだけではなく、できることをあわせてお伝えしました。私が帰った後についても心配されたので、カルテを見た誰もが治療方針をわかるようにすることを約束しました。また、同僚との日ごろからの連携が大切だと痛感したのもこの時期です。カンファレンスを前倒しにしてみてはどうか、と同僚医師が申し出てくれたおかげで、情報共有からも取り残されずに済みました」。
しっかりと子育ての時間を取りたいとの思いから、職場との交渉に成功したSさん。母としても強くなれたということでしょうか。

実家の力を借りて心に余裕を(時短勤務で職場復帰したHさんの場合)

夫婦どちらかの親の近くに住むことにより、子育てを2世帯でしている医師夫婦も多いようです。もちろん、ほとんどの医師夫婦は昼間、子どもを保育所に預けています。
今年6月に職場復帰したHさん(整形外科・32歳女性・子ども2歳)は、育児のために時短勤務中であり、実家から徒歩10分のところに住んでいます。Hさんは、実家が近くにあることで、心に少し余裕が持てると言います。
「育休明けは5時までの時短勤務にしてもらえましたが、それでも緊急時などお迎えに間に合わない場合は、母に子どもを迎えに行ってもらっています。母がお迎えに行くと、ゆっくりと道草しながら帰ってくることができるので、子どもはおばあちゃんと帰るのも好きなようです。今は実家も含め、みんなで子育てをしている感じです」。
医師としての仕事と同じように、子育ても大切にしたいと思っているHさん。高齢の実父・実母への感謝の気持ちも忘れずに伝え、負担がかかり過ぎないようにしているそうです。

実家が近くにない場合でも、企業が展開する家事・育児サービスを利用する方法もあります。残業時や発熱時の保育所へのお迎えに加え、食事準備や洗濯物たたみなどの簡単な家事もお願いすることができます。忙しい医師夫婦にとって力強い助っ人となる可能性が高いため、予め登録しておくのも良いかもしれません。

【家事・育児サービス例】 ニチイの家事・育児・自費介護サービス「ニチイライフ」

家事も育児も夫婦で協力して行う(夫婦2人で子育てをしているG医師夫妻の場合)

夫婦ともに医師の場合、妻のほうが出産後、時短勤務や非常勤勤務で仕事をセーブしている場合が多いようです。しかし本来、医師という仕事には男女の差はありません。そのため、妻の仕事の大変さを一番分かっているのが医師である夫なはずです。

次は、誰の手も借りずに夫婦2人で子育てをしているG医師夫妻(ともに一般病院勤務医、夫41歳、妻38歳・子ども4歳)です。夫のGさんは、子どもの誕生とともに残業が少ない現在の病院に転職しました。
「出産や授乳などは、男性でできることが限れらていますが、そのほかのことは大概できます。世の男性医師は家事や育児を妻に任せている方も多いでしょうが、それは勿体ないことだと思います。子どもは日々成長して見ていて面白い。うちは私もご飯を作るし、子どものお風呂、おむつ替え、寝かしつけ、私ができることはなんでもやりました。まあ、医師のライフワークバランスを病院側もしっかり考え、医師と協力していかなければなかなか実現できないかもしれませんが」。
子どもとの時間を作るために転職し、家事も分担しているGさん。二人で育てているという充実感があると笑顔で話していました。

ある調査によると、男性常勤医師の平均労働時間は週51.1時間となっており、一般男性の平均労働時間46.5時間を大きく上回っています。この現状を解消することができれば、医師である夫が育児に参加できる機会を増やす可能性が高まるため、医療機関や公的機関にも改善を促進していただきたいものです。


いかがでしたか?夫婦ともフルタイムで働く医師の子育ては時間のやりくりとの勝負です。
子育ての時間を確保するためには、時に職場と交渉し、同僚の協力を仰ぎ、実家や企業の手を借りて乗り切っていかなければなりません。またそれと同時に、仕事面でも職場の協力が得られるようコミュニケーションを取りながら、医師としての責任を全うしていかねばなりません。これらは時に両立しがたく、ジレンマを感じることもあるでしょう。しかし、子育ての経験は、医師として人を診る時に必ず役に立っていくに違いありません。
子どもから目と心を離さず、人の手を大いに借りながら、楽しんで子育てされてはいかがでしょうか。

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