科目別/医院開業動向情報
メンタルヘルス科は、診療科目の中では、心療内科・精神科と合わせて考えてみても、施設数・医師数共にさほど多くはありませんが、近年増加の傾向にあります。特に都市部や人口密集地により多く集まる傾向があるため、エリアによっては競合相手もいるでしょう。開業の際には、エリアマーケティングを行うことが大切です。
開業時に設備費としてかかるのは、必要最低限の設備に抑えた場合、一般的にみても約400万円程度で、設備費が少なくて済むのもメンタルヘルス科の特徴です。その分、患者さんが落ち着いて気持ちよく過ごせるよう、内装や雰囲気作りに力を入れるようにするといいでしょう。メンタルヘルス科を開業する際にポイントとなるのが、患者さんの視点でクリニックを作るということです。患者さんが来院しやすいよう、クリニックの立地は利便性のある駅の近くがおすすめです。ただし、他人に通院していることを知られたくないという患者さんが多いため、表通りから路地を1本奥に入った場所で、2階以上のテナントがいいでしょう。あまり人目につかない場所となるため、宣伝は広告やホームページを開設するなどして行います。
クリニックの内装に関しては、室内の色を落ち着いた色にしたり、患者さんのプライバシーに配慮し、待合室にパネルを設置して仕切りをつけたりすると効果的です。患者さんが安心して話せる雰囲気を作れるように、電話予約への対応や、クリニック内での対応についても、スタッフ教育をしっかり行いましょう。
患者さんのプライバシーに配慮することと、通院しやすい・話しやすい雰囲気を作ることが、メンタルヘルス科にとっては何よりも重要な点だといえます。それらがクリニックの評判を左右することにもなるので、徹底的に考慮しましょう。それが競合相手との差別化にもつながります。
また看護師の採用は、開業して経営が軌道に乗ってからにした方が無難です。やはり人件費は大きな出費となるため、最初のうちは採血なども医師自らが行うようにした方が効率的だといえます。