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医業継承(承継)とは?

【第1回】 クリニックを譲る側

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医業継承のメリット
(1) 現在診療中の患者さんを託すことができる。
(2) スタッフの勤務継続が可能な場合がある。
(3) 医療機器や建物の有効活用ができる。
(4) 営業権を評価してもらえる場合がある。

医業継承Q&A

可能な限り現役を続けたいと思っているのですが……。
勤務医には定年がありますが、開業医にはありません。そのため、地域の患者さんのためにと、体調を崩されるまで頑張ってしまう場合も多いようです。「院長が急に倒れてしまって」とご家族から相談をいただくこともあります。診療所を譲り受ける先生が決まっても、様々な手続きや引き継ぎを経て開業するには時間がかかります。その間、患者さんは別の医療機関を受診しなければいけませんし、スタッフの雇用継続も難しくなってしまいます。
継承を考えるタイミングとは。
60代くらいの先生から、「1年後くらいに継承したいので、引き継いでくれる先生を探してほしい」と相談いただくことも増えています。現在の受診者数が多いほど、継承者が見つかりやすい傾向にあります。例えば、週5日診療を続けるのが厳しくなってきた場合、週2~3回や、午前中半日だけに診療日を減らしてしまうと、その分だけ患者さんが離れてしまいます。盛業されているうちにこそ、診療所の将来についてお考えになることをお勧めします。
子どもに診療所を継いでもらう予定ですが、親子間の継承で気をつけるべきことは何ですか。
ご自身が開業されてから30~40年ほど経っていますので、親子間でも、治療法や医療に対する考え方などが異なることもあります。身内であることも手伝って、ついつい口を挟んでしまいがちですが、継承が決まったら次の世代に任せていくという決断も必要です。今あるものを生かしながら、建物や内装のリニューアル、機器の入れ替え、ホームページの開設などによって、代替わりを印象づけることができます。
第三者医業継承を考えていますが、後を託す先生はどうしたら見つけることができますか。
継承にあたっては、さまざまな書類の手続きや金銭面も含んだ交渉が必要となりますので、スムーズに進めるためには第三者の仲介を頼まれた方がいいでしょう。相談先としては、開業支援会社、金融機関、税理士、医局などが考えられます。なかでも、医業継承を多く扱っている開業支援会社には、継承開業を希望する先生の情報も多く集まります。一度相談されてはいかがでしょうか。

図1 医業継承のプロセス(第三者継承の例)

医業継承が完了するまでにはどのくらいの期間がかかりますか。
第三者継承の場合、通常1~2年はかかりますので、余裕をもって準備を始められることをおすすめします。継承が決まってから開業までは3~4か月ほどですが、継承者が見つかるまでの期間はさまざまです。過去の事例では、現在の受診者数が多いほど、見つかりやすいといえます。その他、立地、地域の将来性などが要因となります。立地に関しては、やはり都市部の人気が高いですね。
患者さんやスタッフは引き継いでもらえますか?
患者さんを引き継ぐことができるのは、継承開業を希望する先生にとっても大きなメリットです。引き継ぎ前に1か月ほど勤務していただくと、患者さんにもより安心していただけるようです。また、スタッフについては、継承者の先生やスタッフご本人の意向にもによりますが、継承によって継続雇用の可能性が広がります。
継承するための条件はどのように決めていけばいいのでしょうか。
まず、売却、賃貸など希望に応じて不動産や営業権などの簡易査定をおこない、譲渡条件(不動産売却・賃貸等)を決定します。「いい先生がいたらまず紹介してほしい」と言われることもありますが、継承希望医の募集を始める前に、きちんと条件を提示しておくことが大切です。継承者が決定したら、引き継ぎ時期や詳細条件を調整し、契約を交わします。

特に、不動産を所有されている場合、譲渡価格や賃貸条件をどのように決めるかが重要です。帳簿上の資産価格や実勢価格をもとに算定しますが、診療を続けながら継承する場合、今後の収益価値としての営業権を評価・算定して譲渡の対象にできる場合があります。さらに、医療機器などを引き継ぐ条件も決める必要があります。

図2 継承における資産価値の考え方

医療法人格を含めた譲渡を希望しますが、可能でしょうか。
医療法人格を含めた譲渡は、出資持分を譲渡し理事長を交代するかたちが基本です。医療法人には大きく分けて、平成19年4月以前に開設された「持分ありの医療法人」、それ以降の「基金拠出型医療法人(持分なし)」があります。出資持分のある旧法人の場合、法人に資産を残しておけば、解散時に出資持分を払い戻すことができます。これは、旧法人の法人格を引き継ぐ際にも継続して適用されます。昭和63年に一人医療法人が認められてから26年が経ち、法人の継承事例も増えてきました。個人医院よりも専門知識が必要とされますので、医業継承を多く扱っている開業支援会社へご相談ください。

医業継承失敗事例

・ご家族の意思を十分確認できなかった例

院長( 60歳)がハッピーリタイアを検討、奥さまに相談後、専門会社に相談。
⇒ 継承希望医の紹介を受ける。条件設定のうえ、基本合意書を作成。
⇒ 基本合意の段階で奥さまの強力な反対を受け、継承には至らず。

【原因】 院長は事前に奥さまに相談していたが、「本気で考えている」と認識されていなかった。

・交渉途中で基本条件を変更し、継承が成立しなかった例

院長( 65歳)がハッピーリタイアを検討、専門会社に相談。
⇒ 診療所(院長個人所有)の譲渡条件を「賃貸」とし、希望賃料を決定。↓継承希望医と基本合意内容を調整。
⇒ 基本合意直前に建物の維持管理および相続の問題から診療所「売買」希望に変更。
⇒ 再度条件のすりあわせをおこなうも、交渉がまとまらず、継承不成立。

【原因】 継承後のイメージを想定しないまま条件設定をおこない、急な基本条件変更を余儀なくされた。

医業継承のポイント
(1) リタイアまでのスケジュールを早い時期に考えておく。
(2) リタイアについて家族と十分に話し合いをしておく。
(3) 金銭面などの条件について明確にしておく。
(4) 医業継承支援の実績豊富な会社に相談する。

診療所は地域医療の重要な担い手であり公共性が高く、継承者がいないという理由で閉院してしまうのは、社会的にも大きな損失です。第三者医業継承もぜひ選択肢の一つに加えていただければと思います。

診療所を継承し、安心してリタイアできれば、心おきなくセカンドライフを楽しめます。長年、地域医療に貢献してこられた先生をはじめ、ご家族や地域の患者さんのためにも、円満な継承をぜひ実現していただきたいと思います。

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