豊洲ベイサイド内科外科(東京都)の医院開業事例


外観


内装

開業タイプ 新規開業
所在地 東京都江東区
科目 内科、消化器内科、内視鏡内科、肛門外科、外科
病床数 なし
豊洲ベイサイド内科外科
〒135-0061 東京都江東区豊洲5-6-29 パークホームズ豊洲 ザ レジデンス1階 メディカルモール豊洲内
TEL:03-5560-3331
https://toyosu-bayside.com/
医師の本望はどこにあるのか。
そこに真摯に向き合い、信じた道を貫きたい。
2017年7月、慈恵医科大学外科医局で長く消化器外科の修練を積んだ共田氏が、内科、消化器内科、内視鏡内科、肛門外科、外科を標榜し、豊洲ベイサイド内科外科を開院した。
同院は、急患を受け入れる体制を維持するため、予約制を採用していない。一人の診察時間が長くなることもあるし、順番が入れ替わることもあると率直に掲示する。にもかかわらず、口コミで順調に患者数が伸びているのであった。

待ち時間、順番の前後など、伝えづらいメッセージも率直に掲示


院長 共田 光裕氏

豊洲ベイサイド内科外科の待合室から診察室へと続く廊下には、こんな掲示がある。〈ご来院の患者さまへ〉なるタイトルに続いて、〈お待たせする時間が長く、患者さまには大変ご迷惑をおかけします。申し訳ございません〉から始まるメッセージは、予約診療をおこなっていないこと、診察の順番が入れ替わることもあるなど、患者心理にネガティブな影響を与えそうな事柄が率直に記され、丁寧に詫び、柔軟な対応を心がけるという言葉で結ばれていた。

東京都の、しかも発展著しい豊洲地区に所在するクリニックが、このようなメッセージを掲示することに驚かされる。逆に、「待たせない」というベネフィットや、「予約システム」に代表される先進性を追い求めない事実に強い興味をひかれるのだった。
「私の診察は、患者さんが納得されることを第一に考えていますので、ときには20分や30分におよぶこともあります。そうなると次の患者さんをお待たせすることになるのは必然で、しかも、どの患者さんの診察が長くなるかは事前にはわかりません。ですから、素直にお詫びするしかないのです」

予約システムはお年寄りが困る直来を断るのは、不本意だ
医師仲間からおくられた評価は「なんて昔気質なんだ」

画像クリックで拡大 院内廊下に貼られた掲示物には、院長の真摯なお詫びが述べられている。

たとえば予約制や予約システムについて、考えを聞くと―― 「最新の予約システムは、ある意味患者さんオリエンテッドで、意義があることはわかります。ただ、私は、ウェブサイトを使ったシステムを導入すると、ネットの苦手な高齢の患者さんが困っている姿が目に浮かぶのです。

実際に、『ここは、予約制でなくて助かりますよ』と言ってくださるお年寄りの方がかなり多いのですよ。

また、完全予約制にした場合、『朝、目覚めたら具合が悪かった』『夕方に急に痛みが出た』といった、たった今、困っている患者さんの受け入れができなくなります。直来(ちょくらい)を受けない――それは、私の診療方針に反します」

浮かぶイメージは「無骨」、そして「骨太」。昨今もてはやされる「洗練」や「スマート」の方向性とは対極だ。デメリットが多い方策ではないだろうか。
「医師仲間からも、『なんて昔気質(かたぎ)なんだ』と言われます」

昔気質――まさにそうだ。かつてはこういったタイプの医師があちこちにいたはずだが、平成も終わろうとしている現代においては目に見えて減っている。
「常に、誠心誠意。結局それが患者さんに伝わるのだと信じて、この方針、スタイルを貫いています。どの患者さんにも、決して手を抜きません」

近隣のクリニックは総じて18時30分に診療を終える。しかし、同院はその時間を19時に設定している。 「仕事終わりに受診したいという方にとって、この30分はとても大きな差だと思います。実際には19時をすぎて来院する方もいらっしゃいますが、基本的にはお受けします。困っている方の役に立つのは、医師の本望だと思うのです」

気づけば追っていた、祖父の背中
外科とジェネラルな医療を結びつけて見る、慧眼

共田氏には、大学の外科医局に所属していた頃から、今も変わらず堅持する臨床医としての信念がある。それは、「自分のできる範囲で、全力を尽くして診て差しあげたい」。そして、「できる範囲を広げる努力が、患者さんの利益につながる」。 「大学病院に勤務すると、臓器別に専門特化〝しすぎた〞現代医療の欠点を痛感させられるものです。『結局、どの科を受診すればいいのかわからない』といった悩みをかかえ、院内をさまようような状態の患者さんが多くいらっしゃいました。 他科を受診している患者さんを強引に診察するような乱暴なことはできませんが、自分の担当の患者さんが受診した以外にも疾患をかかえているような場合、積極的に耳を傾けるよう心がけました。そうすると喜んでくださる患者さんが思いのほか多かったですし、私自身の学びも大きい取り組みでした。子どもの頃から漠然と抱いていたジェネラルな診療のできる医師への歩みも、徐々に本格化していったように思います」

共田氏の考え、「ジェネラルな診療のできる医師への歩み」は、ある人物に大きな影響を受けているのだそうだ。
「祖父が、開業医をしており、地域医療に取り組んでいました。その背中を見て育ったのが大きかったです。当初からというわけではありません、医師としての経験を積めば積むほど、自分がしたいことは何かが定まっていったのです。そして、祖父のやっていた医療がそれだとわかったのです」

のちに考えが整理され、現在のスタイルになったわけだが、医学生時代を振り返ってもらうと、すでに片鱗は見せていたようだ。
「私は、外科を『将来、幅広い医療ニーズにこたえられる医師になるには』という観点で選びました。この分野には専門医志向の方が集結するものだとは知っていましたので、自分は少数派に属するのだろうと覚悟しましたが、迷いはありませんでした」

少数派とは自覚したが、不自然な考えとは思わなかった。
「内科系の系譜で語られることが多い〝総合診療〞ですが、幅広く、ジェネラルな貢献のできる医師には、外科の知識と技術も必要だという考え、イメージは、医師を志した当初からありましたし、今も変わっていません」

開業の前にも後にも、新鮮で深い学びの経験が待っていた


エコー検査などもおこなう検査室。

院内奥の内視鏡室。簡単な手術もおこなう。

開業への経緯は、どんなものだったか。
「卒後10年目がすぎたあたりで、医師としての将来像を思い描きました。大学病院にいましたので、研究、教育といった選択肢もあるなかで、自分で自分に問いかけたところ、『もっとも興味があり、やりがいを感じるのは患者さんと触れあうことだ』と確信しました。

外科医として10年ほど修練すると、ひととおりが身につき、次のステップを踏む勇気ももてました。開業を決心する大きな分岐点だったように思います」

開業を考えるようになってから、実際にクリニックをオープンさせるまでに要した時間は約2年とのこと。比較的スピーディな開業プロセスといえるだろう。
「今の時代、医師が単身、独力でクリニックを開業するのは大変難しいと思います。成功への道のりが複雑で、高度になっていますからね。 そうなると、コンサルタント会社をはじめとした助言者の存在が大きくなります。私の場合は、総合メディカルさんと出会うことができ、クリニックの開設から運営まで、文字どおり一から教えていただけたのが幸運だったと思います」

「出会い」とは、具体的には?
「同社が豊洲でのクリニックモール計画を立て、参加するクリニックを募集していました。その情報に触れたのが最初でした。豊洲は、私が『検討に値する』と考えていた開設地の候補の一つ。この町に興味があり、好きだったのです。計画の詳細を聞き、何度か打合せするうち、『このような内容で豊洲にオープンできるなら、開業の決断をしてもいいだろう』と思えるようになりました」

用地選定は、ファクターとしてとても大きいという。
「開業計画がどれほどの時間を要するかは、いかに早く開業地を決定できるかに左右されます。私の場合は、開業地がトントン拍子で決まったおかげで2年で開業にこぎ着けましたが、そうでなければもっと時間がかかったでしょう。どこにクリニックを開設するかは重要なことですし、簡単に決めることができずに悩んでいる先生も多いのではないでしょうか」

共田氏にとって開業までのさまざまな経験が印象的だったのは改めて記すまでもないが、それ以上に開業後によい経験をした、しているとの感想をもつ。
「まず、勤務医が長かった自分が、医療システムの全体像を把握していなかったことを痛感させられました。レセプトなどの医療事務からはじまり、診察・治療前後の流れ、段取りさえも知らなかった自分に驚きました。コメディカルに任せきりだったのですね。開業当初の1年間は、そんな初歩的な驚きと学びの連続でした。新鮮な日々だったと思います」

誠心誠意は、伝わったようだ
口コミで増える患者数に、嬉しい驚き

取材時点で開業から1年4か月。患者数の伸びはいたって順調。疾患の割合は、一般内科と消化器内科と肛門外科・一般外科がそれぞれ3分の1で、望外の理想的バランスに共田氏自身が驚いているとのこと。 「この1年、無我夢中でやってきました。結果、患者さんの数も、経営の状況も、当初の期待を大きく上回りました。出来すぎだなというのが率直な感想です。

性に合わないため、積極的な広告はしていません。そのぶん、地域に認知されるには時間がかかると見積もっていました。 幸いなことに、予想を超える口コミが広がってくれました。誠心誠意がそれなりに通じたようなのです。もちろん、とても嬉しく思っています」 心がけていることはと問われれば、シンプルな答えを返す。
「医師としての知識と技量を、アップデートしつづけること。医師としての基本的な使命ですし、開業医にとっての生命線だと思います。『できる範囲』を可能な限り広げ、一人でも多くの患者さんに喜び、納得していただけるようになりたいです」
今後の目標、テーマは。
「こうして開業し、地域医療に進出したからには、在宅医療に挑戦したいですし、挑戦すべきだと考えています。時間はかかってもいいので、着実に前進できるよう心がけています」

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