まつうら心の診療所(宮崎県)の医院開業事例


外観


内装

開業タイプ 継承開業
所在地 宮崎県宮崎市
科目 精神科、心療内科
病床数 なし
まつうら心の診療所
〒880-0032 宮崎県宮崎市霧島2-130-2F
TEL:0985-77-6222
http://matsuura-cocorono-shinryojyo.jp/

インタビュー

開業のきっかけを教えてください。

院長 松浦 喜久子氏 医学生の頃、精神科の臨床実習では閉鎖病棟で過ごす時間があったのですが、最初は不安で患者さんに何をどう話せばいいかわかりませんでした。入院されている患者さんの方が気を使われ、気軽に話しかけてくれたり、トランプやUNO、卓球などのゲームに誘ってくれました。負けると罰ゲームでモノマネをしたりしながら、輪に入ることができ、他愛のない会話の中で、少しずつ患者さんの病気の容体をうかがい知ることができました。

人と人との付き合いを重視し、人間関係を作っていくという実習は興味深く印象に残りました。人間性を問われる厳しい仕事だとは思いましたが、患者さんを通して自分自身を見つめ成長することにつなげていければいいし、また年齢を重ねてもやっていけそうだと思い、精神科を専門にすることにしました。

病院勤務のころは、入院治療が主でしたので、認知症や統合失調症圏の慢性期の方を多く担当していました。若い医師がぶつかる壁なのでしょうが、患者さんが元の機能までに改善し生活ができるようになるということは難しく、患者さんに申し訳なく思い、医師としての自分に無力感を感じていました。それでも患者さんの会話が増えたり、笑顔が見られたりといった、ちょっとした変化がとてもうれしかったですね。

その頃、外来を担当する機会は週2日午前のみでしたが、外来の患者さんの場合は、うつ病や神経症圏の初期や急性期、回復期の方もおられ、徐々に回復される様子がはっきりわかりました。「アルバイトを始めた」、「作業所に通うようになった」、「復職した」など、社会復帰の一歩を踏み出す様子を見られるのが、働き甲斐でした。「もっと初期や急性期の方と関われる外来診療をやっていきたい」と思い、開業を考え始めました。

2007年から福岡市のクリニックに勤務し、開業のイメージを固めていきました。クリニックでは外来患者数も多く、疾患の種類や重症度も幅広いため、限られた時間の中でそれぞれの症状や訴えに対して適切に迅速に対応することが求められました。はじめは戸惑うことばかりで、とにかく無事に1日を終えることで必死でした。院長代行として医師一人体制で診療をさせていただいた期間もあり、また経営にも関与させていただいたことが貴重な経験として今に生きていると思います。この間に結婚し家族の介護も加わったため、しばらく開業することは諦めていたのですが、2年前に体調を崩したことで、働き方、生活面について考え直すことにつながり、開業をまた現実的に考えるようになりました。
「DtoD」を活用されての開院ですね

患者さんを家族のように温かく迎えるスタッフ。 開業地では、色々と悩みましたが最終的には家族の理解を得て地元である宮崎で開業することを決意しました。けれども、10年近く宮崎を離れており、現在の地域の事情がよくわからないため、総合メディカルのDtoDコンシェルジュ(開業支援サービス)に登録し相談しました。最初はコンサルト会社を利用することに不安がありましたが、担当者は誠実で気さくな方で懇切丁寧に対応していただき利用して良かったと思っています。

開業場所は、希望していた緑の多い公園の近くにある以前皮膚科を開業されていたテナントで、そのまま活用できる設備が多く、費用面でも比較的低く抑えられることもあり、迷うこともなく即決しました。さらに落下傘開業の意味合いが強いため、働きながら準備ができるように、総合メディカルから開業地近くの宮崎市内の病院を紹介していただきました。

約1年間勤務医をしながら開業準備ができましたので、安心してスムーズに進められたと思います。開業まで内装、申請手続き、従業員雇用や銀行関係にいたるまでいろいろな事で支援していただきながら、2016年10月5日に開院することができました。

  • 待合室は板張りの小屋がいくつもあり親しみやすい雰囲気。

  • 積み木でできた小部屋のような問診コーナー。

  • 自然光が差し込み、心が和むカウンセリングルーム。
クリニックの特色を教えてください。

各部屋は開放的な気持ちになるよう光を取り入れている。
精神科一般を担当しています。心に不調を感じた時、気軽に安心して相談できる場所にしたいと考えました。できるだけ敷居を低くするためにクリニック名を「心の診療所」としました。また、内装は木の板張りの部屋がいくつもあり、親しみやすい雰囲気になるよう工夫しました。それぞれの部屋には日光が差し込むようにしており、灯りは白熱灯ではなく、やわらかい赤色光のLED電球を使いました。椅子は木製やファブリック素材を採用し、できるだけ自然に近いものにふれて、癒しを感じられるように配慮しています。

スタッフは常勤の看護師、精神保健福祉士、事務で計5名、他に非常勤で心理検査と心理カウンセリングを担当する臨床心理士1名です。幸いにも経験豊富で意欲的なスタッフに恵まれ、診療所の立ち上げから協力し支えあいながら仕事ができ助かっています。

  • ていねいな対応を心がけている受付スタッフ。

  • 精神保健福祉士が問診や精神保健相談を担当。

  • 健康チェックや服薬管理、心のケアを担当する看護師。

心と体をあたためる温熱療法。
脳の働きと体のバランスを図るブレインジム。
当院の特色はチーム医療を大事にしていることだと考えています。チーム医療とは、一人の患者さんに複数のメディカルスタッフが連携して治療やケアに当たることです。薬物療法や精神療法が主体で生活指導や精神保健相談はもちろんですが、そのほか状況や病状に合わせて適応であると医師が判断した場合、心理療法や身体療法を提案し行っています。医師による診療時間はどうしても限られているため、心理療法は臨床心理士が約1時間の心理カウンセリングとして、現在は主に認知行動療法を行っています。

身体療法としてはブレインジム、TFT(思考場療法)などをトレーニングを受けたスタッフ(看護師、精神保健福祉士)が提供しています。ブレインジムとは、脳の働きと体のバランスを調整するエクササイズです。TFTは鍼灸の経絡を利用し、順番にツボのタッピングをします。どちらも10分程度の時間内で不安、イライラ感などの心理症状の改善を期待して行っています。 現在マインドフルネス瞑想をケアとして取り入れていくためにトレーニング中です。他には温熱療法が疲労回復、筋肉痛などに有効で、私自身やスタッフのケアのために取り入れていますが、医師の指示のもと希望される患者さんにも提供しています(ただし、医師の診療以外は診療報酬外のサービスになります)。

現在1日25人の患者さんが受診されます。経営的には30人以上が目標です。完全予約制をとり、一人ひとりを丁寧に診察することを心がけています。宮崎市内のほか、県北や県南地域、鹿児島県からも受診される患者さんがいらっしゃいます。年齢層としては、不登校の中高生から、80歳のうつ状態の方まで幅広く、どちらかというと女性が多い印象です。女性の医師を希望されて受診される方も少なくないですね。近隣の病医院からのご紹介もだんだん増えてきており、こちらからも、より適切な治療ができる他科や同科病医院へご紹介させていただいています。当院に通院しながら、他機関の訪問看護や復職支援施設を利用されている患者さんもいらっしゃいます。おかげさまでこのように連携が取れていることは大変ありがたいことですし、患者さんにとっても安心だと思います。
今後の目標を教えてください。

「気軽に安心して相談して」と語る。 開業して1年が過ぎましたが、来院される患者さんは現在も職についている方や主婦の方が多く、症状が比較的軽いうちに早めに受診されているように思います。例えば、「会社に行くのが辛い」、「不安になることがある」、「日によって眠れない」などの悩みや「家族の相談」で気軽に受診されています。このような方への支援として、対症療法と併せて、ご自身でストレスケアができ疾患の再燃や再発予防につながるよう、最善のストレス対処法(心理療法や身体療法)を今後もスタッフと協力して提供し、サポートしていきたいと思います。またさらに今後ニーズや条件が整えばですが、休職されている方のための復職支援や復職してからのフォローもできるうつ病復職支援デイケアに発展させられたらと考えています。産業医としても職場のメンタルヘルスケアに関わっていきながら、疾患の治癒と予防を最終ゴールとしてめざしていきたいですね。
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