かくだ耳鼻咽喉科クリニック(宮城県)の医院開業事例


外観


内装

開業タイプ 継承開業
所在地 宮城県角田市
科目 耳鼻咽喉科、アレルギー科
病床数 なし
かくだ耳鼻咽喉科クリニック
〒981-1505 宮城県角田市角田字町192
TEL:0224-86-4138
https://kakuda-ent.com/

インタビュー

先生の専門と開業のきっかけを教えてください。

院長 西川 仁氏 大学に籍を置いていたことから、県内外各地の病院に勤務してきました。電子カルテを導入しているところが多いのですが、異動先の病院ごとにシステムが異なります。新しい病院に異動するたび、病院のシステムに慣れるのが大変で、効率の悪さを感じていました。

医療機器も同様、耳鼻咽喉科では特に、長年診療を続けていると自分の使いやすい道具が決まってきますが、病院が変わるたび異なることに不便さを感じていました。またスタッフについても、患者さんの接し方や診療の手順などで息のあった信頼関係が生まれてきますが、「慣れてきたな」と思った時に異動になることも多く、ストレスを感じるようになりました。慣れたスタッフと慣れた機器の中で効率良く診療をしたいと思ったことが、開業のきっかけの一つです。

また、以前、父を看取った際、父が住み慣れた町で最期を迎えてもらうことができませんでした。「1人残った母には、そんな思いをさせたくない。母には最期まで住み慣れた仙台で過ごしてほしい」と考えた時、住居地が保障されない勤務医では限界があると思いました。「母が住む仙台で働こう」と思ったことも、開業を後押ししました。
開業からオープンまでの流れを教えてください。
当初は仙台市内で開業する予定でした。しかし、地元の医療機関の様々な意見があり、予定していた開業を見送りました。そこで仙台市から近い場所を、総合メディカルさんに探していただきました。ここは以前、内科の有床診療所であり、継承者を探しているとのことで紹介してもらいました。

周辺を見渡すと、近所に小中学校があり、郵便局も近く、角田市の中心部ですので交通の便も良好です。加えて、耳鼻咽喉科は近隣には無かったため、地元から開業の要望もいただきました。以前からクリニックがあったこともあり、地元での認知度も高いと考えました。私自身は角田市で勤務したことはありませんでしたが、地域の需要・認知は高いと考え、2013年4月、当地での開業に踏み切りました。

  • 診察用以外に処置用の顕微鏡をベッドサイドに配置。

  • 耳鼻咽喉科に必要な聴力検査機器とレントゲン室。

  • 開院当時から働き、お互いにフォローし合える優秀なスタッフ。
どのようなクリニックを目指していらっしゃいますか。

「診断の質を上げるために顕微鏡及び内視鏡による診察が特に大切」と語る。 私は頭頚部がんの専門医を持っており、勤務医の頃は、大きな手術も手掛けてきました。今でも手術をしたいという思いはありますが、開業したからには、耳鼻咽喉科領域は全て責任をもって診療していきたいと思っています。

耳鼻咽喉科領域には、音声障害やめまい、嘸下障害、聴覚障害、アレルギー、がん、感染症など、幅広く疾患があります。また、稀なため疑わないと診断のつかない疾患が多いのも特徴です。私自身、20年近く診療をしてきましたが、今でも初めて出合う疾患があります。奥が深く、「耳鼻咽喉科を極めた」と言い切れるに至っておりません。

開業医となることで耳鼻咽喉科領域を幅広く診療することになりますが、他の総合病院と比べて診断の質を落としたくないと考えています。そのため、当院に導入する機器についても、診断をきちんと下せるものにこだわり、大学病院と同等の高性能な顕微鏡を2台導入しました。耳の中、特に鼓膜所見からは、素人には考えられないほど多くの情報が得られます。2台導入することにより、患者さんが座った位置でも正確に診察でき、診察ベッドで横になりながら質の高い治療を受けることができます。経営的なことよりも、質の高い医療を提供したいという思いにより、顕微鏡にこだわりました。

また、内視鏡用のファイバーも数種類用意しています。鼻やのどの奥など、直接見えない部分の観察に欠かせません。前医がファイバーの診察を怠ることで、発見の遅れた症例を勤務医時代に何度も経験いたしました。初めて診る患者さんや経過が予測と反する患者さんには再度ファイバーによる診察が早期発見のポイントと考えています。

また、病理検査にも積極的に力を注ぎたいと考えています。しこりの病気には悪性腫瘍の可能性もあり、頭頚部がんの専門医として、迅速に病理検査を行うことで、早期発見・早期治療につなげたいと思っています。多くの耳鼻咽喉科開業医は病理検査を行っておらず、この地域でも今までは、病理検査を受けるためには、40km離れた仙台市まで出かける必要がありました。遠方のため検査を先延ばしにしてしまい、診断が遅れることも多いようでした。当院が開業したことで、ここで受けていただきたいと考えています。

当然のことですが、手術が必要な症例だけでなく、診断に悩ましい症例は積極的に紹介し、病診連携をはかり一人よがりな診療に陥らないように心がけています。

  • 乳幼児を連れたお母さんに人気の和室待合室。

  • キャラクターの壁紙などで子どもの不安感を和らげるキッズルーム。

  • 男女を区別し、ゆったりとした広いスペースのトイレ。
スタッフにはどのような教育を行っていらっしゃいますか。
耳鼻咽喉科は、多くの診療科の中でも特殊な分野だと考えています。他科の経験がある看護師でも、全く異なった新しい知識や診療医に合わせた動き方などを身につけてもらう必要があります。そのため、スタッフを選ぶ際は、耳鼻咽喉科の特性を理解し、新しいことにも取り組める柔軟性や積極性のある人で、長く働き続けられる意欲のある人を求めました。また、看護師、事務職員が互いの仕事を理解し合い、助け合える職場にしていきたいとも考えました。

求人票にはあえて、「看護師(含む事務介助)」、「事務(含む看護師介助)」と記載し、チーム医療を重視する旨を強調しました。採用した6人には、互いにフォローしあうことを徹底させています。それぞれの仕事を理解し、補佐できるようにするため、看護師と医療事務の仕事を固定させず一定期間で交代させることにしました。看護師には医療事務の仕事を、医療事務には看護師の仕事を学ばせることで、互いの理解と信頼関係が深まっていると感じています。

長く働き続けてもらうためには、経営者サイドの配慮も必要です。帰りが遅くならないよう診療終了時間を近隣の他院より早め、スタッフが希望する休日は極力取れるように配慮しています。
今後の目標を教えてください。
今後は、スタッフが長く働けるようにワークライフバランスを考慮した勤務体制を構築・維持していくことが第一です。また、診察の流れは、症状を聞く、診察、治療方針の決定、検査・処置・薬の入力などがありますが、医師が必ずすべきことは診察と治療方針の決定です。その他のことをスタッフで分業し、効率良くすることで患者さんの待ち時間を減らすチーム医療を考えています。

当院の外来患者数は、1年目は1日約50人で、2年目に入り約60人になりました。高齢の患者さんが多いのですが、子どもの患者さんも3割程度いらっしゃいます。少しずつですが地域に貢献しているのではないかと思っています。

今後、耳鼻咽喉科領域でもリハビリが重要になってきます。治療中の患者さんの生活を豊かなものにするためにも、随分先の夢ですが理学療法士の採用も考えています。また、私自身もアレルギーや感染症の専門医を取得し、幅広い疾患にさらに対応できる体制を整えていきたいと考えています。
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