福江産婦人科医院(長崎県)の医院開業事例


外観


内装

開業タイプ 新築移転
所在地 長崎県五島市
科目 産科、婦人科
病床数 10床
福江産婦人科医院
〒853-0032 長崎県五島市大荒町73-2
TEL:0959-72-6140
http://www.fukue-sanfujinka.or.jp/

インタビュー

産科を選んだ理由は何ですか。

院長 池田 陽子氏 私の父は長崎大学を卒業後、産婦人科医になりました。1973年に大学から五島に派遣され、五島が地元ではなかったのですが、そのまま五島に残り1977年に産婦人科を開業しました。2009年に父が亡くなるまで、1万人に近い赤ちゃんの出産に立ち会ってきました。父の思い出は、お産の連絡で呼ばれれば、夜中でも必ず出かけていく姿です。周囲の人から「お父さん、すごいね」と言われることも多く、父を誇りに思っていました。小学校6年生の卒業文集で私は、「将来は医師になる」とつづり、その当時から、夢をかなえるための準備を進めてきました。

私は中学から長崎市内の学校に通いました。母と三姉妹での移住。父は逆単身赴任という形で島に残り、私の夢を後押ししてくれました。大学に進学する際、産科を選ぶことはすでに決めていました。祖父も叔父も叔母も産科医。医師の仕事の中で「おめでとう」と喜んでもらえるのは産科だけですから、働き甲斐があると考えていたのです。けれども父からは反対を受けました。夜の呼び出しも頻繁なため、女性には過酷だと考えたのでしょう。それでも、私は産科を選択し、父も最終的には認めてくれました。

私自身、2000年に結婚し、3人の子どもを出産しました。外で仕事を続けるには、家族や周囲の支援が必要です。私の場合、勤務医では難しいと感じ、2005年に当院を手伝うようになりました。自分がお産を経験したからこそ分娩に携わっていたい。父、母に協力してもらいながら、育児と仕事を両立させてきましたし、父を手伝うという目的でいうと、夜のお産もサポートできます。夫は内科医ですが、夫の協力も得られていますし、私たち家族は福江に帰って良い環境に恵まれていると感じています。
産科の魅力は何ですか。
「また来てくださいね」と言えるのが嬉しいですね。真夜中に呼び起こされて、しんどいと思うこともありますが、やはり楽しい。好きじゃないとできないと思いますし、本当に好きなんだなと感じています。患者さんや赤ちゃんからエネルギーをもらえるのも事実。きついけれど、必要とされると、やりがいも感じられます。

また、子育て中の現役ママとして患者さんにアドバイスをすることもありますが、そのことも参考になっていれば嬉しいです。子育ては一人ではできません。近所のおばちゃんに頼ってでも、自分から協力してもらえる環境をつくっていってほしい。今は、隣に住む人の名前も知らないような時代ですが、「信用できる人をつくりなさい」と言っています。孤立して育児ノイローゼにならないように、外に出ることを促しています。

  • NSTにより、胎児をより身近に感じることができる。

  • 産み綱、肋木などを備え、自然な分娩を促す。

  • 広々として清潔感のある分娩室
開業のきっかけを教えてください。

「五島に住むさまざまな世代の女性を支えたい」と話す。 父が設立したクリニックは、年月が経ちかなり古くなっていました。将来的には夫の内科と併設したクリニックをつくりたいという希望もあります(※隣地開業済)。そこで、市街地で広めの土地を探そうと思いました。

産科はリスクを伴うことから、医師のなり手が少ない診療科です。五島でも産科は五島中央病院と当院だけです。しかも時として女医は私だけになることもありますので、私が診療していることで少しでも産婦人科を受診しやすくなる人がいればいいなと思います。

また、なぜか島の人は安産が多い。体重管理や環境づくりをきちんとすることで、当院で安心して産んでもらいたいと考えました。五島中央病院とも連携しており、緊急時には対応してもらえる体制もあります。子どもの教育を考えると、この先も五島に残るべきか、心が揺らいだ時期もありましたが、五島以外での開院は考えませんでした。五島をベースに置き、患者さんに寄り添える医療を実践していきたいと思います。
クリニックの特色を教えてください。

床に敷いた畳でくつろぐ患者さんの家族も多い。 プライバシーに配慮するのはもちろんですが、病室はすべて個室にし、トイレは部屋の中に配置しました。病室の床に畳を敷いているのも特色です。妊婦さんや患者さんはベッドを使いますが、家族や子どもたちが畳でくつろいでいる姿もよくみかけます。家族が落ち着いていると、妊婦さんや患者さんも安心するようで、畳を入れて良かったなと感じています。また、陣痛室には産み綱と肋木を置いています。楽な体勢で陣痛をやり過ごしてもらう目的ですが、肋木は、よく使ってもらえている様子です。

外国で結婚した人がホームページを見て、里帰りを兼ねて当院で出産を希望するケースもありました。自然な環境で出産できることがきっかけになっているようです。当院では、医学的な理由以外で土日や夜の出産を避ける計画は立てません。そのためにも、妊婦さんには肥満にならないような体重管理の指導をしっかりと行うようにしています。また、早産しないような配慮も行います。

長崎県は周産期システムが発達しており、早産しそうな人、出産後の赤ちゃんへの治療が必要な場合などに、高次機能をもつ病院へ搬送する仕組みも充実しています。当院ではできるだけ自然に、医療的な支えが必要な場合には設備の整った病院へ搬送することで、だれにとっても安心なお産を目指したいと思います。
産科だけでなく、婦人科の患者さんも増えているそうですね。
小さな子どもさんから、おばあちゃんまで、婦人科領域の患者さんも増えています。更年期の方の場合、ゆっくりと話を聞いてあげると、それだけで「気が軽くなった」とおっしゃっていただけます。もともと産科を中心に行ってきましたが、婦人科領域にもやりがいを感じています。現在の患者さんの割合は、婦人科6割、産科4割といった具合です。私が女性だから、受診しやすいということもあるでしょう。じっくりと話を聞いて、心に寄り添うような診療を行いたいと、改めて感じています。
当院では漢方治療にも力を入れています。体に穏やかに作用する漢方で、患者さんの心の深い部分とも向き合っていければと考えています。
今後の目標を教えてください。
「新しいクリニック、雰囲気が明るくなりましたね」と患者さんに言っていただいています。「以前のクリニックと比べて、来やすくなった」と言ってもらうこともあり、うれしく感じています。クリニックの一角には、ゆったりとしたスペースの多目的室もつくりました。妊婦さんを対象にしたヨガや母親教室、ベビーマッサージなどに使用するほか、一般の女性を対象にしたヨガ教室も開催しています。

産科や婦人科に限定せず、風邪や生理痛などでも気兼ねなく来られるクリニック、悩んでいる人が来やすいクリニックにしていきたいです。多目的室を有効に使用して、地域の人たちが足を運びやすいクリニックにしていくことが目標です。

  • 診察中も患者さんの話をじっくりと聞くことを心がけている。

  • 子ども用のプレールームも設置。

  • 多目的室では、母親教室のほか、一般女性向けのヨガ教室なども開催。
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