開業までの流れ

STEP13/開業手続

このステップですべきこと

このステップですべきことのイメージ
  • 診療所の開設手続、保険の請求関連など、開業時にどういった届け出・申請が必要かを整理し、段取りをつける
  • 各届け出書・申請書への記入ミスや添付書類の不備がないか入念にチェックする
  • 手続きの順序やタイミングを守り、スケジュールに添って届け出・申請を行う

各種届け出は院長が準備・提出しなければならない

クリニックを開業するためには、保健所や厚生局などの行政機関への届け出が必要です。
提出すべき書類の種類の多さや準備の手間を考えると、煩雑になりやすく、手間のかかるステップだといえます。
まず、主な届け出先と、それぞれのポイントを確認してみましょう。

届け先と手続きのポイント

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1.保健所 テナント契約などの前に、開業する地域を管轄する保健所との事前協議を実施する。
「診療所開設届」や必要な添付書類を準備。事前に届け出日程を確認し、開業約1か月前に書類を提出する。
2.厚生局 開業する地域を管轄する厚生局との事前協議を行う。
保険医療を実施するための「保険医療機関指定申請書」や必要な添付書類を準備して、適切なタイミングで提出する。
3.福祉事務所 「生活保護法指定医療機関」の指定を受ける場合には、管轄の福祉事務所などへの事前の相談や、必要書類の提出を行う。
4.消防署 事前に消防署で講習を受講し、防火管理責任者の資格を取得する(開業物件により必須。要事前確認)。
消防立入検査を受ける。場合によっては、消防計画の提出、避難誘導訓練なども行う。
5.税務署 「個人事業開始届」「事業所設置届」などを提出する。
6.医師会 事務局に入会条件等を確認し、入会申込を行う。理事会審査等を経て、入会手続を行う。

上記はごく一般的なもので、提出ルール、提出書類の添付物、望ましい提出時期といった詳細は、開業する地域によって異なる場合があります。
必ず事前に各機関に相談や確認を行い、間違いのないように準備を進めましょう。

また、医師会入会のルールも、開業地域によって異なります。こちらも事前に条件や入会の申し込み方法などを確認する必要があります。

税務や労働保険に関する届け出についてのみ、会計士、税理士、社労士などに依頼できる場合もありますが、それ以外は基本的に、院長が自ら書類への記入や準備を行い、提出しなくてはなりません。

ここに注意

開業手続において、もっとも間違いやすいのが、書類の提出や申請のタイミングです。
たとえば、とあるクリニックでは保健所への事前の相談が遅れてしまい、厚生局への保険医療機関指定申請の締切日までにクリニックの開設届けを提出することができませんでした。
この場合は、やむなく開業を1か月遅らせましたが、その間にも人件費を支払うことになり、開業の遅れを知らせる通知の作成や発送などにも、大きなコストがかかりました。

医師会への入会のタイミングに関しても同様です。入会手続が遅れたために健康診断や予防接種の実施に関する諸手続が間に合わず、開業初年度の検診や予防接種が実施できなくなれば、集患にそれだけダメージが生じます。
また、さまざまな手順が重なったために消防署への手続をうっかり失念してしまい、後日消防署の査察を受けることになってしまった、というクリニックもあるようです。

いつ、どこに、何を提出するかを整理しておく

いつ、どこに、何を提出するかを整理しておくのイメージ

開業にまつわる相談や申請は、開業前約半年から準備を始めて、望ましい順序で進める必要があります。
開業前の慌ただしい時期にこれらが重なると、意外なミスや手続漏れが発生するケースも少なくありません。

ちなみに、新規ではなく、継承による開業を行う場合、作業にかかる時間や手間はおおむね倍になります。開業手続と合わせて、従前のクリニックを廃止する手続をする必要があるためです。

保健所、厚生局、医師会など、それぞれに確認をとる。
細かな申請の内容や、準備すべき書類を把握して準備を進める。
相談、作成、提出など、望ましいスケジュールを組んでおく。
など、どの段階においても、コンサルタントによるマネジメントとサポートを受けることで、作業の煩雑化を避けることができます。

やることは理解していても、いざ書類の作成が重なったり、大量の添付書類を目にしたりした段階で、「思ったよりも大変だ!」と感じる場合もあるようです。

総合メディカルでは、こうしたさまざまな届け出についてスケジュールに落とし込み、医師が提出し忘れたり、書類に不備があったりしないようサポートしています。開業手続に関しても、プロの手を借りながら進めるほうが、正確かつコストをかけずにクリアしやすいプロセスだといえるでしょう。