開業までの流れ

STEP09/リスクマネジメント

このステップですべきこと

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  • 開業後に起こり得る、ケガや病気、災害などによる損害のリスクを把握する
  • それぞれのリスクに備える手段として、保険への加入を行う
  • クレームや医療過誤へのリスクヘッジとして、医師賠償責任保険にも加入する

健康面のリスクに備えて、所得補償保険には必ず加入を

自身のクリニックを持つということは、医師であると同時に、経営者にもなるということです。

開業医と勤務医では、生活スタイルや責任の範囲がガラリと変わります。開業を検討する際には、開業後に起こりうるリスクについて知っておき、必要に応じて保険等の見直しを行いましょう。

実は、開業医が抱える最大のリスクは、自分自身の健康面の問題です。
勤務医であっても、普通は社会保険のほか、民間の生命保険や損害保険などに加入している方が多いと思います。しかし、勤務医の場合は、万が一自分が倒れてしまっても、代診などを立てやすく、また勤務先との調整もしやすいでしょう。患者さんの予約などをキャンセルすることになったとしても、ケガや病気が理由であれば、個人の責任が問われるようなことはまずありません。
しかし、開業医の場合、仕事を少しでも休まざるを得ないような状況に陥れば、フォローと責任の全てが自らに降りかかってきます。
自分が働けなくなればすぐに収入がなくなり、自院の信頼にも大きく関わります。開業を決めたら、自身のケガや病気による就業不能の可能性に手厚く備えておきましょう。

災害などに備えた損害保険への加入も必須

災害などに備えた損害保険への加入も必須のイメージ

また、火事や災害などに備えて、クリニックの土地建物や資産などに対する保険加入も必須となります。
万が一の際の補償範囲や金額などをしっかり確認して、必要なときに必要な金額が遅滞なく受け取れるように、しっかりと保険を設計しましょう。近いうちに建物の拡張を行うなどの予定があれば、その都度、見直しが必要となりますので注意しましょう。

損害保険については、補償範囲をきちんと検討しておかねばなりません。基本補償にしか加入していないと、災害の際に建物部分の補償しか受けられず、医療機器などに関する補償が受けられないこともあります。 近年、台風や浸水などの災害が増えています。これらの被害に遭遇した際の保障の範囲などもしっかりと確認しておきましょう。

クレームやトラブルが起きたときへの補償も

加えて、もう一つ心に留めておきたいのが、患者さんやそのご家族等とのトラブルやクレームへの対応です。
開業後は大小のトラブルやクレームへの直接の対応などが必要となる場面もあるでしょう。
経営者である以上、医療過誤や事故の発生や、賠償責任などを求められるというリスクも考えられます。スタッフや自分を守る備えと責任の担保とが必要です。

開業医向けの「医師賠償責任保険(医賠責)」に加入をしておけば、試験薬がこぼれて衣服が汚れたなどの、クリニック内で起きた医療以外の賠償責任も補償されます。勤務医向けの医賠責は、医師自身のトラブルはカバーできますが、スタッフによる医療過誤などはカバーができませんから注意が必要です。
さらに、万が一の際に相談できるコンサルタントや顧問弁護士と、いつでも連携がとれる体制を整えておければベストでしょう。

加入が勧められる主な保険

健康に関する保険

<医療保険>
ケガや病気の際の医療費の負担を軽減する。
がん保険も医療保険の一種。主に入院治療を補償する。

<休業補償保険>
ケガや病気で働けなくなった際に、年収の6割程度が補償される。就業不能保険とも呼ばれる。被保険者が亡くなった際に保障が受けられる収入補償保険とは区別される。

  • そのほか、生命保険の金額なども開業後はリスクが増えるため、見直しが必要

土地や建物に関する保険

<火災保険>
火災の際の建物、家財、クリニックの設備や医療機器を補償。盗難や事故、大雨による浸水などに関する付帯も可能。

医療に関する保険

<医師賠償責任保険(医賠責)>
医療事故や医療紛争の賠償請求や責任に関する補償を受けられる。

  • 医師会への入会時に自動付保される場合もある(条件有り)
ここに注意
どんなに健康で丈夫な人でも、思いがけないケガや病気に見舞われる確率はゼロではありません。
もし、開業医が病気で入院を余儀なくされ、生命・医療保険や所得補償保険に加入していなかった場合は、一体どうなるでしょうか。
生命保険にしか入っていない状態で開業して、急に体調を崩してしまった場合、休養中の固定費の支払いができずに、せっかく開業したクリニックを手放さなければならないこともあり得るのです。その場合、家族にも迷惑をかけることになります。
健康面のトラブルに見舞われた際に、お金の心配まで抱え込むようでは、治療にも専念できませんから、あらゆる事態を想定してしっかり備えておきましょう。

保険の設計漏れやかけすぎにも注意が必要

保険の設計漏れやかけすぎにも注意が必要のイメージ

医師の健康面のリスク、建物などの資産に関するリスク、経営や賠償に関するリスクと、クリニックをとりまくリスクはさまざまです。
しかも、守るべき資産や条件などは、クリニックごとに違いがあります。

複数の保険に加入しているのにもかかわらずカバーできていない部分が生じたり、反対に、余分な保険をかけすぎて、毎月の保険料が経営を圧迫したりといったこともあり得ます。
これらを避けるためには、保険に関する知識と根拠に基づいた慎重な保険の設計が求められます。

総合メディカルでは、クリニックごとのリスク調査と分析を行ったうえで、最適かつ合理的な保険商品の組み合わせを提案しています。国内外の多くの生保・損保会社と代理店契約を結び、幅広く、さまざまなリスクに対応できる選択を可能にしています。
もちろん、クリニックにまつわるリスクだけではなく、医師のライフプランや家族構成なども考慮したうえでの保険設計と提案を行っています。

また、開業後の運営状況や医師のライフステージの変更などの際、保険の見直しや掛け替えが必要な場合にも、適宜最適な変更のご相談を承ります。
保険料や保障内容に納得したうえで、常に安心できる保障を整えておくことは、日々の診療に集中するためにも非常に大切なことです。