1. 今シーズンも続くタミフル論争の行方は?インフルエンザ治療の新薬登場にも期待

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2018.02.21

今シーズンも続くタミフル論争の行方は?
インフルエンザ治療の新薬登場にも期待

毎年冬になると、インフルエンザの流行で内科の外来が混雑します。タミフルをはじめ、抗インフルエンザ薬の副作用が話題になった年もありましたが、2017-18年シーズンは、今後の新薬登場についても注目が集まりました。

世界的にも期待されるインフルエンザ新薬ついに登場か

外来へつめかけるインフルエンザの患者さんに対応しながら、画期的なインフルエンザ治療薬の登場を待ち望んでいる医師は多いことでしょう。そんななか、新薬登場のニュースが世間を騒がせました。

オンラインメディア「産経WEST」の報道によると、塩野義製薬が申請中であるその薬は、1回の服用で効果を示す画期的な薬であるということです。また、注目されるのは、そのメカニズムです。

従来の抗インフルエンザ薬は、細胞内に侵入したウイルスが増殖後に「細胞外へ拡散するのを抑える」ものでした。しかし、今回の新薬は、細胞に侵入したウイルスが「細胞内で増殖するのを抑えて死滅させる」ものなのです。前者はウイルスを死滅させず持久戦となるのが前提であるのに対し、後者は上手く作用すれば早期快復が見込めます。

新薬は、早ければ2018年春頃には厚生労働省に承認され、2018-19年シーズンには販売が間に合う見通しだそうです。

抗インフルエンザ薬の処方を望まれる日本

インフルエンザは感染拡大を避けるために隔離の必要な疾患ですが、「インフルエンザであれば仕事を休まなければいけない」「早く治してできるだけ早く復帰しなければいけない」という風潮が、抗インフルエンザ薬の処方の拡大に貢献しているのかもしれません。

そのため、たとえ「数日横になっていることが大切」「薬を飲んでも完治までの日数はほとんど変わらない」と思われるケースであっても、患者さんから「出来る限り」の対応を強く求められる医師は、どうしても薬を処方する場合があります。

日本では抗インフルエンザ薬の処方が世界的に見ても多いのは、医療機関を受診するハードルが低く、治療薬を手に入れやすい、ということも影響しているのかもしれません。

抗インフルエンザ薬「タミフル」を巡る論争

WHOは2017年6月に改訂した新しい「必須医薬品」リストで、タミフルを「保健システムに最低限必要な薬」から「補足的な薬」に格下げしました。必須医薬品リストは、主に発展途上国が医療水準を確保するために準備しておくべき薬をまとめたリストであり、日本への直接的な影響は少ないようです。しかし同時に、日本でタミフルが危険視されるのは、メディアに煽られた極論の影響だと言えそうです。

インフルエンザウイルス感染で起こりうる奇行によって子供が転落死するなどの事故を、タミフルの副作用であると指摘するメディアがあり、厚生労働省もその修正のため報道関係者に宛てた情報を発表しています。

研究データでも明らかとなっているとおり、小児や未成年者のインフルエンザ患者は、抗インフルエンザウイルス薬の服用の有無にかかわらず、ウイルスの影響で異常行動を起こしうるものです。そこで必要な対策としては、「(少なくとも治療開始後2日間は)闘病中の子供を一人にしないこと」や「急な行動に備えて窓やドアを施錠しておくこと」などがあげられています。

患者さんやその家族が「タミフルを飲んでいないから大丈夫」と思い込み、必要な対策を取らないことのほうが危険ではないでしょうか。

毎年流行するインフルエンザ。ゆっくり養生する時間が取れずに困っている患者さんのためにも、効果の高い薬の登場が待ち遠しい限りです。

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