1. クレームにつながることの多い医療スタッフの言葉遣い「親しみやすさ」の適切なサジ加減とは?

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2018.02.14

クレームにつながることの多い医療スタッフの言葉遣い
「親しみやすさ」の適切なサジ加減とは?

患者さんに対する医療スタッフの言葉遣いは、しばしばクレームにつながることがあり、病院にとっては悩みの種です。また、こうした問題がメディアに取り上げられるたびに話題となることからも、世間の関心が非常に高いことがうかがえます。

高齢者に幼児語を使うことは失礼か否か

病院において、緊張や不安などから、患者さんが普段とは異なる精神状態となっているケースは少なくありません。医療スタッフはそんな患者さんをリラックスさせて的確なコミュニケーションをとる必要があります。患者さんに優しく接しようと努めるのも、有効な手法のひとつです。

しかし、決して「優しければ良い」ということはなく、とりわけ高齢者の患者さんに対する「タメ口」や「幼児語」を問題視する声も上がっています。「幼児返り」という先入観にとらわれたり、「親しみやすさ」を追求するあまり患者さんとの距離感を誤ったりしてしまうと、たちまち病院の評判を落とすことにもなりかねません。

そこで、医療スタッフの育成に役立つ、「患者さんやそのご家族の経験」および「看護師や介護士の事情」のまとめを一部ご紹介します。

患者さんやご家族の経験
  • 認知症で入院したが頭はしっかり働いているときもあり、看護師から「上手にお薬飲めたね」と言われたときにバカにされたように感じた。家では厳格な父親であったため、家族の見舞い中は、そうした口調が特に苦痛だった。
  • 看護師さんがとても優しく、高齢女性である入院患者本人は喜んでいたが、見舞いに通う側としては違和感を感じる馴れ馴れしい口調だった。
  • 家族である患者が不利になることを恐れて、スタッフの言葉遣いの改善を求めることができなかった。
  • こちらは乳幼児ではないので、下の話題は言葉選びや声の大きさに気をつかってほしい。大部屋のため、何度も恥をかかされた。
看護師や介護士の事情
  • 患者さんと打ち解けたい、優しく励ましてあげたいという気持ちがあり、なるべく事務的な言葉遣いを避けて親しみを持ってもらえるよう努力している。
  • 周りのスタッフに合わせているうちに、今の話し方(タメ口)になった。
  • 患者さんと接する中で強靭な忍耐力と根気を求められることが多く、一貫した(やや過度な)優しい話し方は、セルフコントロールを維持する精神的な盾のような役割も果たしていると思う。

以上から、やはり良かれと思って使う口調が、患者さんやご家族を不快にしているケースもあることが分かります。各患者さんやそのときの状況ごとに細かく使い分けることが難しい場合は、丁寧な言葉遣いを心がけ、声色や話す速さなどで「優しさ」や「親しみやすさ」を表現すると、平均して多くの患者さんに喜ばれるかもしれません。

人気医師も要注意?開業医が陥りやすい悪循環

たとえ病院でスタッフの言葉遣いに不満を持ったとしても、ほとんどの患者さんはその場でそのことを口にしないといいます。大きな病院では、相談室や総合案内がそうした方々の苦情の受付窓口になっている場合もありますが、クリニックをはじめ、体制の整っていないところも多いでしょう。

とりわけ開業医の場合は、医療スタッフが雇い主である医師の気分を害すことを恐れて、苦情を医師の耳に入れず、患者さんが静かに減っていくという悪循環も身近な問題といえます。人気の開業医も例外ではなく、対応に不備があった場合は、集患への影響力が強いインターネット上で苦情を公開されることもあるようです。

患者さんの信頼を得る病院の共通点とは

患者さんがインターネットでの情報収集に積極的な時代において、評判のいい病院に共通する対策があります。それは「苦情の内容と対応をオンラインで発表すること」です。

苦情の受付窓口は、投書箱やメールフォームなど、簡易でも構いません。その内容(無記名)と院長の言葉や今後の対策をあえて公にすることで、院内の改善や信頼構築だけでなく、理不尽なクレームの防止にも効果があるといいます。また、医療スタッフの言葉遣いを把握および指導する際も、実際の患者さんの意見が1つでも直接入手できれば具体的な対策を講じる大きな手助けとなるでしょう。

ハード面だけでなく、医師や看護師をはじめとした医療スタッフの言葉遣いの質を高め、ソフト面を充実させることも、医療機関の発展に大きく貢献しそうです。

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