1. 病児の入院で親の24時間付き添いは当然?経験者からは問題視する声も多数

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2018.01.31

病児の入院で親の24時間付き添いは当然?
経験者からは問題視する声も多数

小児病棟は、病児の入院時に保護者の協力を得られることを前提として運営されている場合があります。方針は各病院によって異なりますが、保護者による24時間の付き添いを事実上前提としている病院も少なくないようです。そうした実情がいま、大きな話題となっています。

小児病棟、看護師と病床のバランスは適切?

大人であっても、家族の入院は大変なものですが、乳幼児や小児はやはり幼いというだけで手がかかるものです。泣いて嫌がる病児に薬を飲ませて点滴を打つだけでも、看護師が一苦労することもあるでしょう。そのため、十分な人数の看護師を配置できない病院では、小児病棟の運営がしばしば困難になることもあるようです。

ましてや、病気に加えて親から離れて精神的に不安定となっている幼い病児や、医療とは別の特別ケアが必要な病児など、子供には個人差が大きく、看護師の仕事だけではケアしきれない部分も多々出てきます。国からの補助や体制がよほど十分に整わない限り、病院が各病児のすべての需要に応えることは難しいのが実情ではないでしょうか。

入院中の病児に対する保護者の付き添いについては賛否両論がありますが、保護者の献身的な協力によってなんとか運営できているという医療機関は少なくありません。

付き添いは任意でも、「強制」と感じている保護者が多数

病院側としては、表向きには「付き添いは無し」としていることが多いでしょう。厚生労働省からの通知で以下のように定められているからです。

「看護は、当該保険医療機関の看護要員のみによって行われるものであり、当該保険医療機関において患者の負担による付添看護が行われてはならない。ただし、患者の病状により、又は治療に対する理解が困難な小児患者又は知的障害を有する患者等の場合は、医師の許可を得て家族等患者の負担によらない者が付き添うことは差し支えない。なお、患者の負担によらない家族等による付添いであっても、それらが当該保険医療機関の看護要員による看護を代替し、又は当該保険医療機関の看護要員の看護力を補充するようなことがあってはならない。」

そのため、病院としてもたとえ付き添いが有り難い状況だったとしても、保護者には「付き添い希望」の申請をしてもらい、それを受理するという手順が必要になります。

しかしながら、そうした背景によって付き添いを「任意」としている病院においても、保護者側は「任意としておきながら実際は強制だ」と不満を感じているケースもあるようです。

こうしたトラブルを避けるため、なかには病児に入院が必要となった場合に保護者の希望を確認し、24時間の付き添いを明確に禁じている病院を紹介するクリニックもあるといいます。

24時間の付き添いによる、患者一家の苦悩とは

幼い病児の入院時に24時間の付き添いをする場合、保護者や家庭にかかる負担は計り知れません。病児の兄弟が放ったらかしになって新たな問題が起こったり、付き添いのために保護者が退職を余儀なくされたりすることも珍しくないようです。

また、病院での付き添い生活は過酷をきわめ、病院側が可能な限りの補助やスペースを確保しようとしても現実的に難しく、椅子で寝てもらうしかない病室もいくらでもあります。そもそも国が「原則として付き添いは無し」という姿勢である以上、24時間付き添ってくれる人の宿泊を想定できない状況です。

なかには家族からの助けを得られずたった1人で24時間の付き添いをしなければならない保護者もいます。食事は子供が寝ている隙に走って買いに行く、入浴するために銭湯へ駆け込むなど、入院が長ければ1年以上も「ほぼ病院で暮らした」という人もいるようです。

入院患者に付き添う人のケアを含まない国の体制はもちろん、「親が子供の面倒を見るのは当然」という社会的な重圧も、そうした無理に繋がっているのでしょうか。現状では、病児に付き添う立場の保護者まで健康を害する危険性が十分にあります。

「子供の付き添い」のように、責任や常識の絡む問題は、しばしば社会に見逃されがちです。病院のスタッフやご家族に負担がかかりすぎないようにするには、国を含めた周囲の理解と対策が必要かもしれません。

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