1. 家族全員が抱える睡眠負債に要注意!24時間を効率よく使うカギを握る睡眠管理

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2017.11.28

家族全員が抱える睡眠負債に要注意!
24時間を効率よく使うカギを握る睡眠管理

「睡眠負債」という言葉が広く認知されるほど、現代人の慢性的な睡眠不足は大きな問題となっています。その対象は、成人だけでなく幼児にまで及ぶとする指摘がメディアを騒がせました。

一方で、当直はもちろん、オンコール対応などにより夜に眠れないことも珍しくない医師にとって、十分な睡眠時間の確保はとても困難なことです。はたして、改善の余地はないものでしょうか?

子どもにとっても深刻!忍び寄る睡眠負債の現状

「子どもは早く寝るため、睡眠不足とは無縁である」……そのような考えは、いまや常識ではなくなってきています。部活動や塾通いによる多忙さのほか、就寝時間のズレによる生活サイクルの乱れなどの影響で、幼児期から睡眠負債が始まることもあるようです。

幼児期の慢性的な睡眠不足は、体内時計が定まらず混乱したり、脳の機能が低下したりする原因となりえます。その結果、自律神経系の症状が深刻となった場合は、小児慢性疲労症候群と診断されるケースもあるでしょう。子どもの睡眠を専門としている兵庫県神戸市の子どもの睡眠と発達医療センターには、年間4000人の患者さんが訪れ、入院治療が必要と判断される場合もあるといいます。

また、睡眠負債による体調不良は、1回の徹夜で感じるものとは異なり、本人がその因果関係に気づきにくいものです。ましてや子どもの場合、自分の不調やその原因を親に的確に伝えられなくても無理はありません。「気づけば家族全員が睡眠負債を抱えていた」という事態も、起こりうることでしょう。

5時間睡眠は100時間の残業に匹敵するという見方も

「5時間睡眠」と聞くと、どのようなイメージがわくでしょうか? 患者さんに対しては「もっと睡眠をとるように」と指導する一方で、自分のこととなると「十分」「よく寝られた」という感覚を持つ医師もいます。

しかし、睡眠負債の怖さは、睡眠不足を感じていない人の身体にも少しずつ蓄積し、徐々に影響してくることです。脳の働きと睡眠時間の関係を調べた米ペンシルベニア大学医学部らの実験では、「6時間睡眠を2週間続けると、2日連続で徹夜した後と同程度まで脳のパフォーマンスが落ちる」という結果が出ています。思ったように仕事がはかどらず「加齢のせいで衰えた」と思い込んでいたものが、実は睡眠負債の影響である可能性も否めません。

また、睡眠時間と精神面の健康を見た場合、「睡眠時間が5時間を切るあたりから、不調を訴える人がぐっと増える」という見解を持つ医師もいます。5時間は、月に約100時間残業した場合の睡眠時間に相当すると考えられ、うつ病や適応障害のリスクが高まるラインとされているようです。

睡眠負債を抱えないパーソナルラインの見極め

睡眠評価の専門家は、睡眠負債の有無を把握する方法として、「遮光した状態で時間を気にせず眠ってみる」ことをあげています。休みの日にこの方法を実行し、普段の睡眠時間より2時間以上長く眠ってしまった場合は、睡眠負債があると考えられるそうです。

かといって、「平日の睡眠を削ったぶん週末にまとめて寝る」という睡眠パターンでは、生活リズムが狂ってしまいかねません。そこで把握しておきたいのが、睡眠負債を抱えない睡眠時間の限界です。このラインは人によって異なり、睡眠時間や寝覚めの印象、翌日のパフォーマンスなどを意識的に分析して導き出す必要があります。

そして、睡眠管理で不調を解消し、脳のパフォーマンスを上げるためには、毎日「限界」よりほんの少しでも長く寝る習慣をつけるのが基本です。

睡眠負債という比喩表現からもわかるとおり、負債が大きくなるほど返済が難しくなります。ゆっくり寝ている時間がないからこそ、貴重な時間に無駄な悪影響が出ないギリギリのラインを把握することが、24時間を最も有意義に過ごすヒントとなりそうです。

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