1. トイレで見た医師の手洗いに苦情を出す患者さんも!ノロウイルス感染予防に関心の高まる季節が到来

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2017.11.21

トイレで見た医師の手洗いに苦情を出す患者さんも!
ノロウイルス感染予防に関心の高まる季節が到来

年間を通して発症が報告されるノロウイルスですが、やはり最も流行するのは冬。年末が近づく頃、急激に患者数が増えはじめます。そんなノロウイルス感染の気になる季節に注目されるのが、手洗いです。

医師の手洗いは意外に見られている!?

特に内科医は「手洗いうがいを」としばしば口にする冬ですが、いわれる側である患者さんの目を意識している医師はどれくらいいるでしょうか?

手洗いは、ノロウイルスの二次感染を予防するうえでも大切であり、患者さんの手洗い意欲が高まることは医師として喜ばしいことです。ただし、なかには他人の行動に対しても過敏になる患者さんもいるといいます。とりわけ、医師をはじめとした医療関係者に対する目は厳しく、「トイレにいた医師の手洗い方法が不適切だった」と、病院への苦情につながったケースもあるようです。

時間の都合など、やむをえない事情で一般用のトイレを利用する医師もいます。しかし、医師が職場で手洗いに費やす時間や念入りに消毒するタイミング、尿に対する認識など、手洗いの感覚が一般の人とかなり異なることは、あまり知られていないのが実情です。そのため、来院する方の目が届く場所では、行動を観察されているものと考えるくらいが無難なのかもしれません。

トイレ後に手を洗わない人が15.4%もいる事実

手洗いに対する世間の関心が高いことは、ときにSNSでも浮き彫りになっています。なかでも記憶に新しい話題が、「トイレの後で手を洗わない人が15.4%もいる」という調査結果です。

内訳は、「小便後のみ手を洗わない(7.3%)」「大便・小便後に手を洗わない(5.1%)」「大便後のみ手を洗わない(3.0%)」となっており、手を洗わないことがすでに習慣化している実態がうかがえます。

この数字は、消費者庁が2015年に、ノロウイルスによる食中毒予防対策の一環としておこなった調査で明らかになったものです。調査の対象となったのは、全国に住む16~65歳の男女2000人。全国8地域(北海道、東北、関東信越、東海北陸、近畿、中国、四国、九州)の年齢人口比に応じてサンプルを回収しています。また、質問対象はあくまで「家庭での手洗い」とのこと。

調査結果のなかには、「食事の前に手を洗う人は約半数(52.6%)」「手洗いの仕方を習ったことがあり、その方法を覚えている人は約4人に1人(26.2%)」など、興味深いデータもありました。手洗いは大切だと知りつつも、つい軽視する実態が明らかになっています。

ノロウイルスの二次感染対策を喚起するために

手洗いの大切さを説くと、「わかっています」という反応を見せる患者さんは少なくありません。そこで、少しでも新鮮な気持ちでノロウイルスの二次感染対策に取り組んでもらえるよう、喚起に役立つ事例やデータをいくつかご紹介しましょう。

  • 手洗いを徹底していても、手拭きタオルの交換が不十分で雑菌の温床となっているケースがある。
  • ノロウイルスは100 個でも発症する危険性がある(食中毒の多くは、細菌数 10 万~100 万個ほどで発症)。
  • ノロウイルスはアルコール消毒では死滅しないため、手洗いでどこまでウイルスを洗い流せるかが重要。
  • 約80%もの人が、手洗いの際に手首をしっかり洗っていない(意識して洗っている人は22.4%)。
  • 手首に続く手洗いの盲点は、親指の付け根(意識して洗っている人は29.6%)。
  • 「爪と皮膚の間」「指と指の間」「手の甲」「指先」「手のひらのしわ」「親指の付け根」「手首」のうち、半数以上の人が意識して洗っているのは、たったひとつ「指と指の間」のみ。

今年もノロウイルスによる食中毒の気になる季節になってきましたが、毎日患者さんに接する医師一人ひとりの働きかけから、予防につなげたいものです。

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