1. 医師のワークスタイルにも関わる「遠隔診療」に注目!通院放棄の防止効果や潜在需要もあり

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2017.10.23

医師のワークスタイルにも関わる「遠隔診療」に注目!
通院放棄の防止効果や潜在需要もあり

かつては離島やへき地を中心に用いられてきた遠隔診療ですが、今日ではさまざまな需要や導入形式が見出され、導入に踏み切る病院が少しずつ増えてきています。そうした時代の流れに乗って、遠隔診療は今後さらに医療現場に定着していくのでしょうか?

さまざまな遠隔診療導入の実態と可能性

厚生労働省から「情報通信機器を用いた診療(いわゆる「遠隔診療」)」について」の事務連絡、略称「遠隔診療通知」は、平成9年に初回が出され、更新されるにつれ、遠隔診療は少しずつ医療現場に普及しはじめています。過疎地の医師不足や、現代社会のニーズへの対応など、導入の経緯はそれぞれですが、なかにはすでに遠隔診療の手応えを実感している医師もいるようです。

たとえば、被災地では安定した医療提供が難しく、補足的に遠隔診療を採用した事例があります。看護師が自宅で介護を受ける高齢の患者さんのもとを訪れ、バイタルサインを確認したうえで、タブレットによる医師の遠隔診療を提供するのです。これにより、患者さんの経過観察が遠隔で可能となりました。

平時においても、小児科の遠隔診療が注目されています。待合室での感染の懸念や、通院の負担の観点からも、待ち時間がある場合も自宅で過ごせる遠隔診療は渡りに船です。タイムテーブルに沿った予約制にすれば、医師が時間をマネージメントしやすくなるという利点もあります。

遠隔診療が適用できるケースは限られており、対面診療に取って代わるものではありませんが、規制緩和が進めば、患者さんにとっても医師にとってもこれまで以上に身近になりそうです。

対面診療と異なる遠隔診療の効果と潜在需要

遠隔診療はその技術的な性質上、特に精神科や心療内科、禁煙外来などに用いやすいものとして知られています。診療手段が限られるという不自由なイメージもありますが、実際に遠隔診療にあたっている医師によると、遠隔診療だからこそ得られる効果もあるそうです。

禁煙外来やうつ病の診療を必要とするビジネスパーソンにとって、通常の診療では仕事が忙しく、通院することがハードルになる場合も多いですが、遠隔診療が通院放棄の防止に役立っています。重い腰を上げて外出する必要がないため、比較的続けやすいのでしょうか。禁煙外来に遠隔診療を取り入れている医療機関のなかには、プログラムを最後まで続ける患者さんが8割にのぼっている例もあります。

また、遠隔診療では、患者さんが家でリラックスしているからこそ得られる有益な情報もあるようです。そうした情報は、病院へ来られたときの患者さんには見られないものだといいます。

さらに、海外からは、外国語や異なる医療制度に戸惑い、日本人医師に日本語で相談したいという患者さんの需要もあるようです。たとえできることが限られている遠隔診療でも、コミュニケーションを取りやすい日本人医師は心強い存在に違いありません。

遠隔診療を支える技術進歩と、診療報酬の今後

遠隔診療に欠かせないパソコンやタブレットなどの端末はかなり広く普及しており、そうした機器を利用したテレビ電話に対する抵抗も少なくなってきている現代。予約や支払い、診療情報の管理など、導入に重要なプラットフォームの開発にも、続々と企業が参入しています。システムによっては、結果的に患者さんが一部の事務をこなしてくれる形になり、医療スタッフの効率アップにも直結するようです。

しかしながら、導入のネックとしては、診療報酬の問題が残っています。医療保険制度下における報酬が不利だという理由で、これまでは遠隔診療の導入を見送ってきた医療機関も多いことでしょう。ところが、それにも改定の動きが見られ、遠隔診療に適用される次年度の診療報酬に医療業界の期待が高まっています。公表内容によっては、これまでまったく導入の気配がなかった病院も、検討を始めるのではないでしょうか。


現代人のライフスタイルに合わせた、医師の新しいワークスタイル。遠隔診療を必要とする患者さんのためにも、その需要に応えたいという医療機関を支えるためにも、国は体制改定という形でこれまで以上に柔軟かつ合理的な進化を求められそうです。

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