1. 受動喫煙の対策済み病院にも落とし穴!「三次喫煙」に対する認識とマナー

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2017.09.07

受動喫煙の対策済み病院にも落とし穴!
「三次喫煙」に対する認識とマナー

受動喫煙の危険性が改めて議論され、ほとんどの病院で全館禁煙となっている現代。喫煙者が吐き出した煙やタバコから立ちのぼる煙などを吸い込む「二次喫煙」の防止については、広く世間に理解されているといえるでしょう。一方で、新たに「三次喫煙」という概念が認識されはじめ、受動喫煙の対策に取り組んでいる病院ですらそこまでは対応しきれない状況であることが明らかになっています。

受動喫煙に次ぐ「三次喫煙」という認識の重要性

「二次喫煙」は、喫煙中の人が近くにいることでタバコの有害物質を吸入してしまうものです。それに対して「三次喫煙」は、喫煙によって服や家具などに付着・残留した有害物質を吸入してしまう事態を指します。

この「残留受動喫煙」とも呼ばれる三次喫煙(Thirdhand Smoke)は、ハーバード大学医学部の主要関連医療機関のひとつであるダナ・ファーバーがん研究所が最初に用いた呼び名です。喫煙場所に残留しているニコチンをはじめとした物質は、空気に触れることで化学変化を起こして発がん物質となることが知られており、換気をしても防ぐことができないとされています。

たとえば全館禁煙である病院では、喫煙者は屋外へ行くしかないため、建物の入口付近はどうしても喫煙場所となりがちです。しかし、正面出入り口がシャトルバスの停留所となっている場合も少なくありません。そのため、屋外にもかかわらず、バスの待合席に強烈なタバコの臭いがついて取れないというようなケースも発生しています。

三次喫煙の健康被害を具体的に調べた研究はいまだ発表されていないとのことですが、有害物質の残留が判明している以上、たしかに無視しがたいものです。

マナー守るも、喫煙後30分間は呼気から有毒物質

有害物質が衣類に付着したり空気中に拡散したりする性質上、マナーを守る喫煙者であっても他者の受動喫煙を防ぐことは容易ではありません。一方で、ウイルスや細菌などと異なり、タバコの残留物には臭気の強い物質も含まれるため、非喫煙者は受動喫煙に対して過敏になりがちです。

そんななか、小さな子どもを持つ世代を中心に、三次喫煙を視野に入れた「30分ルール」の実行を求める人も増えています。そのルールとは、「喫煙後30分間は非喫煙者に近づかない」というものです。

喫煙後30分間の呼気にガス状の有害物質が含まれることは、米アリゾナ州立大学が2009年に発表した研究で明らかとなっています。喘息(ぜんそく)や化学物質過敏症の人にとっては、空気中に拡散するわずかな物質も発作を引き起こす脅威となりうるため、このルールに助けられる人もいるかもしれません。しかしながら、煙草を吸うと30分間も非喫煙者の前に出られないという条件を、大きな負担と感じる喫煙者は多いようです。

日本の受動喫煙対策の遅れをハーバード大が指摘

日本は、喫煙について非常に寛容な国として海外に知られています。つまり、それだけ受動喫煙の対策が遅れているのです。ハーバード大学教授がその事実を指摘したことで、SNSでも広く話題になりました。

世間一般では受動喫煙に対する危機感に個人差がありますが、病人を受け入れる病院は常にその影響を受けています。心筋梗塞ひとつ取っても、受動喫煙によるリスク増大は無視できるものではありません。ハーバードの研究者がおこなった分析によると、自宅や職場で習慣的に受動喫煙している人で91%上昇、外出先でたまに受動喫煙にさらされる人ですら58%も高くなるとのことです。

次第に厳しくなっている喫煙ルールに戸惑うケースもあるようですが、受動喫煙対策は、世界の常識に近づき、間接的に国の医療負担を減らすこととなる取り組みともいえます。

身を守ろうと努める非喫煙者はもちろん、きちんとマナーを守る喫煙者のためにも、受動喫煙や三次喫煙について、まずは正しく認識する必要がありそうです。

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