1. 木の実「ナッツ」摂取でがん再発と死亡率が大きく低下 豆類のピーナッツでは効果が認められず

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2017.08.23

木の実「ナッツ」摂取でがん再発と死亡率が大きく低下
豆類のピーナッツでは効果が認められず

「ナッツを食べると身体にいい」ことは、ここ数年でしばしば話題となっています。そして今回、米国でこれまでの研究結果を踏まえて特定のがん患者に的を絞った研究がおこなわれ、その大きな効果が世界中から注目されました。

ステージ3結腸がん患者826人について研究

ナッツの摂取と特定のがんの再発や死亡リスクについて研究したのは、ハーバード大学医学部の主要関連医療機関のひとつである、ダナ・ファーバーがん研究所です。同研究所は米国臨床腫瘍学会(ASCO)の年次総会に先立ってその結果をオンラインで発表し、ロイターを含め多くのメディアが取り上げました。

同研究所の発表によると、今回の研究対象はステージ3の結腸がん患者826人で、被験者にはいずれも手術と化学療法を施しており、がんの再発と死亡率について7年間の追跡調査を行ったとのことです。その結果、ナッツ(木の実)を一定量食べていた場合にがんの再発と死亡率が著しく低下することを発見したといいます。

もちろん研究者は、ナッツの摂取は標準治療の代替ではないことを忠告しており、がん予防や転移後の進行に対する効果も不明です。現時点では、正しい食事や適度な運動と同様、健康的な生活習慣のひとつに過ぎません。しかし、このだれにでも取り組めそうな内容と大きな効果はメディアを騒がせるには十分だったようです。

週に57グラムのナッツ摂取で生存期間57%改善

今回の研究において効果を確認したナッツの摂取量は、「週に少なくとも2人前」でした。それだけのナッツを摂取している人は、まったく食べていない人に比べ、無病生存期間で42%、生存期間で57%の改善が見られたとのことです。

なお、ここでの「週に2人前」とは約57グラムにあたり、ロイターはこれを「アーモンド48粒分」「カシューナッツ36粒分」と具体的に述べています。今回の研究が大きな話題となった要因のひとつは、この実行に移しやすい摂取量にあったといえるかもしれません。

これまでにも、特定の食材摂取が症状の改善や予防に効果があると判明した研究は数多くありますが、今回のようにすぐ臨床に役立つケースは少ないのが現状です。なぜなら、実験で結果が出ても、マウスの摂取量を人の臨床向けに換算すると膨大になり、効果が見込める量の食材を実際に摂取するのは難しいことが多いからです。しかし今回は、毎日アーモンドを7粒食べれば必要量を上回ることができるという計算になります。

今回は豆類のピーナッツでは効果は認められず

ダナ・ファーバーがん研究所が取り組んできたこれまでの研究でも、ナッツ類を毎日食べるという生活習慣ががんに何らかの好影響を及ぼす可能性が高いことはわかっていました。ナッツを食べない人と比べ、がんによる死亡率が11%低いという調査結果が出ていたためです。

しかし、今回行われた新たな研究で結果が出たのは「木の実だけ」だということに注視する必要があります。前回の研究では「ナッツ類」にピーナッツも含めていましたが、今回はピーナッツでは効果が認められなかったのです。クルミやアーモンド、カシューナッツなどが「木の実」であるのに対し、ピーナッツは「豆類」にあたります。今回の研究結果に惹かれて食習慣にナッツ摂取を取り入れようという人は、ピーナッツ以外を食べるようにしなくてはなりません。

メディアに取り上げられては、しばしば人々を翻弄(ほんろう)する健康食材の話題。カロリー過多や咀嚼が困難など、高齢者にとってはやや敷居の高いナッツ類ですが、今回の結果を見る限り、患者さんへの摂取推奨を検討する価値がありそうです。

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