1. インフォームドコンセントで手応えを得るには?患者さんが黙っている「心の声」を聞くコツ

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2017.03.15

インフォームドコンセントで手応えを得るには?
患者さんが黙っている「心の声」を聞くコツ

日本でもインフォームドコンセントという言葉が徐々に浸透しつつあり、患者さんに対して治療に関するコミュニケーションの充実を図る医師が増えています。しかし、ただ静かに「はい」とだけ答える患者さんをはじめ、意思疎通の手応えを感じられないケースも多々あるようです。そこで今回は、黙っている患者さんを理解するためのコツをご紹介します。

無言の患者さんの空気を誤読しないコツ

きちんと言うことを聞いて指導にしたがってくれる患者さんは、医師にとってありがたいものです。ただし、ほとんどの患者さんは専門の医学を学んでいないため、専門家である医師の言うことを「絶対」と考えてしまう傾向があります。

治療法も薬も、医師が患者さんに最も適していると判断したうえで選ぶものです。しかし、患者さんは医師が1つの疾患に対してたくさんの治療における引き出しを持っていることをあまり知りません。まずは、その「常識」の違いを覚えておくことが大切です。

治療がつらかったり、異存があったりしても「医師が決めたのだから仕方ない」と黙っているだけの患者さんを、すべて了承してくれているものと誤解してしまうケースはよくあります。そのため、副作用の回避や他の選択肢がある場合は、聞かれずとも簡単に説明する、腰を据えてフォローアップするなど、「医師に意見を述べることは禁止事項ではない」という空気作りも押さえておきたいところです。

患者さんに治療への参加を促すコツ

医師は医療のエキスパートですが、病気にかかっている本人が体験している現状の把握については、患者さんからの説明や報告も非常に重要となってきます。同じ疾患の同じステージであっても、患者さんは一人ひとり異なるからです。ただし、患者さん全員がそのことを理解しているわけではありません。

インフォームドコンセントの一環としてフィードバックを求めても、たくさんの患者さんは「みんな同じ道を通る」「言わなくても先生はわかっている」と思ってしまっています。「先生は忙しそうだから話しかけづらい」「症状を言い表すのは難しくて面倒」「文句を言っていると思われたくない」など、腰が引けている理由や心境もさまざまです。

そこで、患者さんに治療への参加を促すため、「患者さんの質問や報告は治療を進めるうえで重要である」「(たとえ実際はそうでない場合でも)自分の患者さんはみんな治療に参加している」ということを積極的に伝えてみるのもひとつの方法です。

知識からくる思い込みに惑わされないコツ

患者さんよりも医師の知識が勝っているのは当然です。ただし、患者さんと同じ病気にかかって闘病したことがなければ、病人としての経験値は患者さんのほうが上だと言えます。その点をふまえ、思い込みに惑わされないよう注意することも重要です。

たとえば、「ありがた迷惑」という言葉があるように、飲みやすいようわざわざ工夫されている薬が実は非常に飲みにくいということがあります。口の中で崩壊するせいで逆に飲み下しにくかったり、意図的につけられている甘みが不快だったり、知識として蓄えた理屈に相反する実態は、それを口に入れたことがなくては決してわからないものです。

また、それでも「こういうものだから仕方ない」という自己判断をして黙っている患者さんが多いせいで、実態がなかなか医師まで伝わりません。

インフォームドコンセントを心がけようと思っても、時間ばかりかかるわりに患者さんからの反応が薄いと感じた場合は、一度患者さんの立場で「常識の違い」を見つめ直す必要があるのかもしれません。インフォームドコンセントでしっかりと手応えを得ることができれば、それまで以上に、患者さんにとって最善の選択肢を選んでいるという確信が持てそうです。

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