1. 土日診療を求める声に応えられる病院はあるか?土曜の午前診療に殺到する患者さんたち

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2017.02.24

土日診療を求める声に応えられる病院はあるか?
土曜の午前診療に殺到する患者さんたち

土日が休業の多くの社会人にとって、通院の機会はほぼ土曜日のみに限られます。そこで、「日曜日も診療してほしい」という要望が出てくるものの、病院がそれに応じることはできるのでしょうか?
今回は、土日診療を求める患者さんの声と、病院の現状をまとめます。

混雑が免れない土曜日の午前診療

医療処置が必要なのは、いつでも通院可能な高齢者だけではありません。働き盛りの大人も、必要となれば病院へやってきます。ただし、土日が休業の社会人にとって、平日の通院は困難です。少なくとも、本人は「簡単には休めない」という心境に違いありません。その結果、土曜日の午前診療をおこなっている病院には、たくさんの患者さんが詰めかけます。
持病や妊娠などをのぞき、言うまでもなく、ケガや病気は「不測の事態」です。感染症が流行すれば内科は混み合いますし、救急車が到着して外来診療が一時滞ることもあります。しかし、どれだけ忙しくても、診療を拒否することなど許されません。そのうえ、連休中の遊園地とは違い、混んでいるとそれだけで怒られるのが病院です。
午前のみのはずが、診療を終えるのはいつも夕方。毎週そのような経験をしている医師も少なくありません。「いっそ土日を平常通りに運営して、平日を休日にしてくれれば」そう思っているのは、待合室で長時間を過ごす患者さんだけではないでしょう。

週7日24時間対応している病院の「休日」

そもそも、入院患者のいる病院では基本的に休業日は存在しません。さらに、いまや患者さんの便宜を図るため、土曜日の午前診療をおこなっている病院が圧倒的多数です。それでも、病院はまだまだ需要に応えられていないという声もあります。
事務的な都合や取引先各社との兼ね合いなど、病院が土日を「休日」としていることにはそれなりの背景があるものの、そうした点はあまり一般に理解されていません。多くの患者さんの持つイメージの中において、病院は医師さえいれば成り立ちそうに見える場所なのです。
しかし、平日と同じ体制で土日に病院を運営する場合、もちろん医師が出勤するだけではきちんと機能しません。また、社会における休日が土日であると認識されている以上、人員の確保は平日と同じようにはいかないという事情もあります。

土日診療を求める患者さんの声

土曜日の外来で3時間も待った末に、ようやく中待合に呼ばれてさらに1時間。そんな経験をした患者さんがいたとすれば、「日曜日も開けてほしい」と切に訴えるのは自然なことかもしれません。なかにはインターネット予約を導入し状況を大きく改善している病院もあるとはいえ、めったにない通院経験であった場合、たとえ1時間であろうと待つことが苦痛だと感じるのもうなずけます。
しかしながら、高齢者の需要が圧倒的に高い医療業界において、平日2日間を休みにして土日に終日外来診療をおこなう病院は果たしてどれだけ出てくるでしょうか?しばしば神聖視される医療業界ですが、地域医療を支える病院を末永く運営してゆくためにも、安定した経営基盤は必要です。赤字を出して閉院に追いやられたのでは元も子もありません。
一方で、若い人の受診率も高い歯科では、そうした需要に応え、夜間と休日だけに絞って開けるクリニックが大成功しているという例もあります。若手歯科医グループが駅ビル内で開業し、学生と社会人が通いやすい「平日の夕方から夜11時まで」と「土日の昼間」に診療しているのです。

世間の休日に病院という大組織を運営する形に変えることは、なかなか容易ではないでしょう。ただし、必要としている人に、必要としているタイミングで医療を提供してほしいという要望については、社会全体が取り組むべき課題と言えそうです。

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