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Dr.トレンドレポート

vol.07
2016.4.12更新

地方に移住した医師に聞く 地方移住の選択は正しかったのか!?

近年東京・大阪などの大都市圏から地方へ転出していく中高年層が増えています。
政府は地方創成を声高に叫んでいますし、地方都市が住みやすく・子育てしやすい環境に変わりつつあるのかもしれません。
今回は、以前首都圏で勤務しており、地方へと転出された45歳男性医師の話を伺いました。

【医師Aプロフィール】
首都圏の民間病院に勤務する45歳男性の循環器内科医。
妻も医師だが現在は兼業主婦。子供は10歳の男の子と7歳の女の子。
2015年春、東京から熊本県に移住を決断。
地方への転出を決意した理由は何ですか?

医師A

震災の後、首都圏を離れようかと考えるようになり、妻と話し合ってきました。原発の影響による、食物を介した内部被曝への懸念を払拭できないという思いがあったので。それに首都直下地震への心配もありました。自身の年齢や子供の就学、特に転校のことを考え、この春に決めました。娘の入学がベストのタイミングだと考えたわけです。
どうして熊本を選ばれたのですか?

医師A

妻の実家があるからです。妻の両親はまだ健在ですが、この先の介護等を考えると、やはり近くにいる方が安心だろうと思いました。
私も中学に上がるまでは福岡で暮らしていたため、夫婦揃って九州という望郷への念が強くなったということも、理由の一つかもしれません。
先生のご両親はご健在ですか?

医師A

父は亡くなりました。母は健在で、都内の実家に一人で暮らしています。私の妹が千葉に嫁いでいますので、時々様子を見に行ってくれています。妹が母を見てくれるという環境があることは転出を決意する大きな要因だったかもしれません。
今までのお住まいはどうされたのですか?

医師A

分譲マンションに住んでいたのですが、今は賃貸にし、家賃収入を住宅ローンの返済に充てています。売却も考えましたが、将来子供たちが進学や就職で首都圏に行くことがあるかもしれないので、残しておくことにしました。今の住まいは病院が借りてくれているマンションを社宅として提供してもらっています。おかげで家賃は光熱費込みの4万円で済んでいるので、とても助かっています。
新しい暮らしはいかがですか?

医師A

なんといっても通勤時間が短いことが助かります。以前は片道1時間ほどかかっていましたが、今は15分です。往復で1時間半の短縮になりますので、1ヶ月(30日)で45時間ですから、月の休日が約2日増えた計算になります。その分、家族と過ごす時間が増えましたし、読書や勉強会などにかけられる時間も増えました。
家計など、生活面での変化はありましたか?

医師A

妻によると、食料品や雑貨などは東京より高い物もあれば、安い物もあるようです。全体的な物価水準でみると、やはり東京より低そうですね。
子供の塾や習い事は間違いなく熊本の方が安いです。便利な時代なので、手に入らなくて困るような物はありません。ネットで買うことも可能ですし。子供の教育環境にも何ら不足はありません。
失礼ですが、収入面はいかがですか?

医師A

年収は上がりました。当直の回数は以前と変わらず週に1回なので、時間単価が上がったと見るべきでしょうね。妻も医師会の非常勤医師として、健診のアルバイトに時々出かけています。東京にいる頃は、近くの病院で外来だけの勤務医として働いてくれていました。
妻の年収は下がりましたが、世帯年収としてはほぼ同じです。家賃が安いので、可処分所得は間違いなく上がっていますね。
お仕事の内容に問題などはありましたか?

医師A

急性期から回復期までを診る病院に勤務しています。幸い熊本は医療先進県なので、官公立系の大きな病院も多く、また医療連携の仕組みもしっかりしているため、豊富な症例にふれることができます。医師会の勉強会や研究会なども活発ですし、勤務する病院は学会活動などへの参加を出張扱いにして応援してくれるので、助かっています。
将来設計はどのようにお考えですか?

医師A

永住するつもりです。子供たちには、それぞれ好きな道を選ばせようと思います。医師になりたいといえば、全力で応援するだけです。また、できればあと5年くらいで開業したいと考えています。住宅を兼ねた建物を造って、医院を開くつもりです。
首都圏に比べると不動産価格が格段に安いので、それほど大きな負債を抱えなくても可能だと思います。医院の経営が軌道に乗るまでは、妻がどこかに勤務して応援すると言ってくれていますし、なんとかなるでしょう。将来、子供たちのどちらかが医師になりたいと言った場合、継がせてあげられるかもしれません。未来まで見据えた、家族の拠点を作りたいと考えています。

収支バランスと資産形成のシミュレーション

では、今回インタビューをした医師を例にとって、東京に住み続けて勤務医として働いた場合と、熊本に移住して勤務医として働き、後に開業する場合とでは、資産形成面においてどういった違いが出てくるか、シミュレーションをしていきます。

収支バランスと資産形成のシミュレーション(1)クリックするとpdfで表示されます

東京に住み続ける場合、まず気になる点としては住宅にかかる費用です。子ども2人の養育費とあわせて住宅費が重なることで、60歳の定年退職後、常勤医を継続したとしても、大きな資産を残すことは容易ではないと言えます。

さらには都心に勤務している場合、都心でマンションを購入するとなると、桁違いの金額になってしまいます。そのため郊外にマンションを購入することが考えられますが、そうした場合、今度は通勤時間が増加し、キャリア形成に費やす時間や、ただでさえ激務の勤務医にとってはQOLの影響が懸念されます。

収支バランスと資産形成のシミュレーション(2)クリックするとpdfで表示されます

では、東京から熊本に移住した場合をシミュレートしてみます。
勤務医としての年収は向上し住宅費も抑える事ができるため、貯蓄可能額も大幅に差がでてきます。
上記のシミュレーションは開業を前提としていますが、移住から勤務医を続けている期間を見ても、短期間で開業可能な貯蓄額に到達することも難しい事ではないでしょう。
開業時、一時的に大きな負債を抱えますが、得られる収入は勤務医の比ではありません。同時に不動産、その他で資産を残していくことが可能ですから、医業継承というかたちで相続財産を形成できます。開業後医療法人を設立すれば、医者になる子供が誰も現れないとしても医業を継承していくことが可能です。開業するかどうかによって大きく左右はされますが、財形という視点で見れば地方の圧勝と言えそうです。

医師不足事情は地方にいくほど深刻です。働き盛りの年代であれば、かなりの年収増を見込めるものと思われます。郡部では夜間や土日の当直医をやりくりするのも大変だったり、空いた時間を利用して当直のアルバイトに出向き、月に10~20万円の副収入を得ていたり、という話もよく耳にします。

また、腕に覚えのある外科医や不足している診療科の専門医などは、外勤先を確保し、週に一度ほど手術や外来をこなして日当を得ている場合もあります。そうして副収入まで合わせていけば、現在より大幅に増収を図ることも可能だと思います。

一方、家計の支出に最も大きな割合を占める住居費ですが、勤務先の配慮で優遇される場合もあります。賃料を安く抑えることができる上、住宅が病院の近くという場合が多いので、時間の節約にもつながります。

開業する上での不動産投資は首都圏と地方を比較するとその差は莫大な金額となり、地方であればシミュレーションの通り、開業後の収益が都市部に比べて大幅に増加するため将来的な資産へとつなげられるでしょう。

断片的にも、また多角的かつ総合的な視点から見ても、これからは地方の時代なのではないでしょうか。

総括
いかがでしたか?医師とはいえ、首都圏で相応の財を成していくことは相当難しそうな気がします。
「時間」や「環境」という無形の財産や資源を有効に活用できるという視点から見ても、どうやら地方に軍配が上がるようです。
IT環境の普及により、地方と都市部の距離は格段に縮まっています。医師という仕事にとって今や都会にアドバンテージがあり、地方にはハンディキャップがあるという時代は終焉を迎えようとしているのかもしれません。
医師としての人生設計を本格的にプランニングする上で、「地方への移住」を考えてみてはいかがでしょうか?

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